「日本はなぜ死亡者数が少ないか」専門家会議が挙げたいくつかの要因
総じて死亡者数が少ない東アジアの中で
欧米諸国と比べると死亡者数が少ない日本だが、東アジアに目を転じると、「韓国をはじめ死亡者数は総じて少ない」。特に台湾は7人と際立つ。専門家会議は、その要因についても言及した。 台湾では欧州などからの人の流入規模が日本より少なかったことや、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)で70人以上の死者を出した教訓から準備が整っており、2月6日に中国全土からの入国を禁止するなど、より早い水際対策を実施したことなどが考えられるとした。 この日の提言では日本政府に対し、感染が落ち着いた状態である今の時期に、中国由来の第1波、欧米由来の第2波に続く「次なる波」を見据え、医師が必要と判断した場合にPCR検査などが受けられるような検査体制の強化、大規模クラスターに対応可能な医療提供体制の整備、対応可能なクラスター対策の水準の引き上げ、治療法・治療薬の確立とワクチンの開発などに取り組むべきだと訴えた。
--------------------- 【メモ】…5月29日午後11時半現在、新型コロナウイルスによる世界の累積死者数は、もっとも多いアメリカが10万1698人。次いでイギリスの3万7919人、イタリアの3万3142人、フランスの2万8665人、スペインの2万7119人と続く。それに対し、日本の累積死者数は888人。中国は4638人、韓国は269人、台湾はなんと7人(ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター集計)