子どもにイライラ、怒鳴ってしまう…どうすればいい?「感情的にならない子育て」のヒント
子どもが小さいうちは、育児の負担が大きくなりがち。限られた時間のなかで、仕事や家事、育児を毎日こなしていると、体調が悪かったり疲れがたまったりしたときに、いつもなら何でもないことが急に気になりだして、気づいたら子どもを怒鳴ったり叩いたりしてしまった…という経験は、子育てをしている親であれば誰にでもあるかと思います。 そういう状況に陥ってしまったとき、母親としてどのように対応していけばよいのでしょうか。今回は、子育てアドバイザーで、虐待防止のために多方面で活動をしている高祖常子(こうそ・ときこ)さんに、「感情的にならない子育て」についてお話を伺いました。 (取材・文/みらいハウス 野呂知子) ■高祖常子氏プロフィール 子育てアドバイザー。育児情報誌「miku」元編集長。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事など多数。その他執筆活動や全国各地での講演活動、テレビコメンテーターなど、多方面で活躍中。3人の子どもの母。
虐待で毎年、数多くの子どもが命を落としている現状
――2018年3月に東京都目黒区で、2019年1月に千葉県野田市で、それぞれ虐待死事件が起きました。2つの事件は社会問題化し、連日ニュースでさかんに取り上げられました。ここ数年の傾向を見ても、虐待のニュースを見聞きする機会が増えている気がします。そのあたりはどのようにお考えですか? 高祖さん:2016年に、日本小児科学会が小児科医に調査したところ、15歳未満で年間350人が虐待死の可能性があることがわかったんです。350人ってとんでもない数ですよね。小児科の先生とお話をすると、どうもこれは虐待かもしれないと思うことがすごくあると。ただ、実際に虐待を受けていることを証明できなければ、「あそこのお医者さんから疑われた」と言われるので、なかなか報告を上げづらいとおっしゃっていたんですね。 厚生労働省が把握している数値では毎年7~80人の子どもたちが、虐待で命を落としています。あとは、0歳児の虐待死も多いんですけども…0日、つまり生まれたその日っていうのも結構あるんですね。虐待で命を落としたという報道が流れますが、それはごく一部に過ぎず、その裏にはニュースとして取り上げられない子どもたちもたくさんいると考えています。