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37歳の守護神・川島永嗣が見据える“トップ・オブ・トップ”【森保J再出発 欧州組たちの現在地】

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日刊ゲンダイDIGITAL

【森保J再出発 欧州組たちの現在地】  川島永嗣(ストラスブール GK・37歳) 「若い選手が引っ張る意識の方が、チームは伸びる。年長の僕は横で支えるくらいの気持ちでいいんじゃないかなと」。日本代表オランダ2連戦で出番なしに終わった37歳の守護神・川島永嗣は、縁の下の力持ちとしてチームを支えることに徹した。が、ずっとこのままでいいはずがない。代表とクラブで出番をいち早くつかむこと――。それが彼に託されている大命題だ。  8月23日のフランス1部の初戦ロリアン戦。川島は、念願の開幕スタメンを手にした。2018年ロシアW杯直後に赴いた新天地では<3番手GK>と位置付けられ、リーグ戦出場は18―19シーズン最終戦のみだった。  しかし「石の上にも三年」と辛抱強く取り組んだ結果、ようやく新たな一歩を踏み出せた。 「昨季出ていた正GKがケガ、もうひとりが新型コロナウイルスに感染した影響もあって、プレシーズンから僕が出ていました。そのまま開幕を迎えたんで久しぶりに公式戦に出た感覚はなかった。充実感はありました」  こう語った川島だったが、出場した序盤2戦で連敗。コロナのGKが回復したこともあり、3戦目から再びベンチに逆戻りした。それでも今季未出場の権田修一(ポルティモネンセ)やシュミット・ダニエル(シントトロイデン)よりも実戦感覚はある。今回の代表2連戦では出番が巡ってくるとみられたが、まさかの連続ベンチ。所属先同様に厳しい立場を突きつけられた格好だが、どんな逆境に直面しても、決してネガティブにならないのが川島の強み。 「自分が求める最高の形を求め続けるのが自分の道」と口癖のように言う彼のことを<メンタルモンスター>と評する仲間もいる。 「GKは年齢を重ねて出せる良さがありますね。ベテランになると体力的な部分を指摘されがちですけど、今は本人の努力次第でいくらでも維持できる。30代半ばを迎えたノイアー(バイエルン)を見ても、確実性は上がってますよね。彼の技術や戦術眼は依然として世界最高レベルですけど、セーブの確率を上げるポジショニングやボールの止め方が、以前にも増して良くなっていると感じます」と常日頃からトップ・オブ・トップの観察を欠かさない。ここまでの向上心を持ち続けられる守護神は、そうそういない。だからこそ川島は南アフリカ、ブラジル、ロシアと3度のW杯の舞台に立てたのだ。  森保一監督も帯同した川口能活U―23代表GKコーチも、高度な経験値には一目置いている。  それをより研ぎ澄ませるためにも、やはりクラブで試合に出ることが先決。GKは一度、出番を失うと再浮上するのが極めて難しいが、必ずチャンスが来ると信じて努力するのみ。それが川島の生きざまなのである。  コロナ禍の中断期間中には、第2子となる長女も誕生。2児の父となって子育てにも邁進した。  人間的な幅も広げた彼のような人間が、発展途上の森保日本にはまだまだ必要だ。11月の代表活動では、鬼気迫る表情で雨アラレのシュートを防ぐ川島をぜひ見たい。 (おわり) ○かわしま・えいじ 1983年3月20日生まれ。埼玉・与野市(現さいたま市)出身。浦和東高から2001年に大宮入り。名古屋―川崎から10年7月にベルギー1部リールセ移籍。リエージュ、ダンディーU、メスを経て18年にストラスブール入り。03年ユースW杯に出場。06年3月にA代表選出。10年南ア、14年ブラジル、18年ロシアと3大会連続W杯出場。W杯計11試合出場は長谷部、長友と並んで日本人最多。身長185センチ、体重82キロ。 (元川悦子/サッカージャーナリスト)

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