豆乳ブーム再燃か キッコーマンが「TT鍋」新提案 伸び盛りの無調整豆乳はプレミアム化の可能性 イソフラボンの健康価値も訴求
「特濃調製豆乳」続伸 店頭では多箇所展開の動きも
ソイラテは、同社が提案強化している飲み方。6月には、渋谷ストリーム前稲荷橋広場(東京都渋谷区)で「キッコーマン豆乳 ソイラテSTAND2024」を開催してソイラテをアピールし、期間中、約2万人が訪れた。 「昨年は複数種のソイラテを用意したが、今年は、家庭でも簡単につくれることを強く訴求するためソイラテのみに絞り込んだ。長さ8mのトンネル型アトラクションを設け、その中をくぐり、カフェタイム・おやつ・運動後・朝食の4つのシーンで豆乳を飲む理由をご理解いただいた上でソイラテを提供させていただいた」と振り返る。 同イベントでアンケートに参加した来場者の声を集計したところ、“豆乳で大豆イソフラボンが摂取できる”という事実が浸透していないことが判明したことから機能面の訴求も今後強めていくとみられる。 トクホの「特濃調製豆乳」(特濃)も右肩上がりとなっている。 「味も濃く、トクホであることから非常にわかりやすい商品。一度、ソイラテで飲まれると、濃厚感がクセになるようで調製豆乳には戻れない方も結構多いと聞く。売場では豆乳だけではなくトクホのコーナーにも置かれ目につきやすい」と述べる。 「特濃」が、無調整豆乳の橋渡し役になるなど豆乳エントリーユーザーの獲得にもつながっている。 「『特濃』から初めて手に取られる方が多く、無調整豆乳を飲むのには少し早いと感じられる方に、味もついていて調製豆乳とほぼ同じ手頃な価格といったことで支持されている」との見方を示す。 ほどよい甘さという点では、昨年3月から展開している「砂糖不使用」シリーズでも手応えを得る。
砂糖不使用シリーズ好評 カルシウムを加えた新機軸商品も登場
「砂糖不使用 調製豆乳」ほか「砂糖不使用 豆乳飲料 麦芽コーヒー」「同 紅茶」「同 抹茶」をラインアップしている。 「『砂糖不使用』シリーズはじわりと人気が出てきている。味わいも“非常にすっきりしておいしい”とご好評をいただきリピート・トライアルともにとれている。アイテムでは『砂糖不使用 豆乳飲料 紅茶』は砂糖を抜いてある分、渋みのあとに後味の香りが物凄く感じられて人気を集めている」と語る。 9月23日には、新機軸商品として「調製豆乳」に牛乳と同等のカルシウムを加えた「豆乳+カルシウム」を発売開始した。 「カルシウムを体内に蓄積するにはマグネシウムが必要で、マグネシウムは牛乳よりも豆乳のほうが圧倒的に多い。鉄分も豆乳のほうが多く、一週間の前半を牛乳、後半を豆乳といった飲み分けや、牛乳と豆乳を半々で割る飲み方がみられる」ことが開発の背景にある。 なお2023年3月に実施した同社調べ(n=412、調査対象:20~49歳 子どもを持つ女性、複数回答)によると、「親が子どもにとって欲しい栄養素」の設問の1位はカルシウム(81%)、2位が鉄分(79%)、3位がビタミン(75%)となった。 「親が子どもに飲ませたい飲み物」の設問では1位牛乳(74%)、2位豆乳(56%)、3位乳酸菌飲料(51%)となった。