ほど遠い「開かれた議会」 都議選前、制約だらけの都議会傍聴してみた
写真撮影・録音可の小金井市議会 名前記入いらない町田市議会
申請書類の記入や、録音・撮影に関する制約が多い都議会に対し、同じ都内でも、すでにこうした傍聴ルール見直しに取り組んでいる議会もあります。6月14日、小金井市議会の厚生文教委員会を訪れました。小金井市議会は、本会議・常任委員会も、傍聴者の写真撮影・録音を認めています。議会事務局によると、2000年代後半に、開かれた議会を目指す取り組みの一環として改めました。 受付は、小金井市役所本庁舎4階にある議会事務局へ。都議会と同じく、傍聴券に住所と名前を記入しました。傍聴券面には、「傍聴に際して、(写真撮影・ビデオ撮影・録音)をしたいので申し出ます」との記載があり、職員から「希望するものに丸をつけてください」と言われ、写真撮影と録音に丸をつけました。これで終了です。 会議場内には、携帯電話およびパソコンの持ち込みも可能です。傍聴規則上、「携帯電話は電源を切り、又はマナーモードとし、使用しないこと」となっていますが、特に会議の妨げや他の傍聴者への迷惑になっていない場合、黙認しているそうです。パソコンは明確な禁止規定がないため、こちらも黙認です。 この日は、市民からの陳情について審議。冒頭、陳情した市民が委員会に出席し、直接趣旨を説明したのち、議員からの質問に市の担当部局が答弁する、という形で議事は進みました。初めて耳にした話ですが、冒頭の意見陳述を聞いたため、大まかな内容は理解できます。対して都議会は、陳情や請願を出した都民を招致し、委員会などで意見陳述するという取り組みは実施していません。
このように、地方議会の傍聴ルールは、各議会が設けています。早稲田大学マニフェスト研究所は、こうした傍聴のしやすさや住民意見の聴取(住民参加)の観点などから、議会改革度を調査。最新の「議会改革度調査2016」のランキングで、都内最上位だった町田市議会(回答があった全国1347 議会のうち16位)は、傍聴券に名前や住所などを一切記入する必要がありません。一方、都議会は順位が公表されている全国上位300議会にも入ることができていない状況です。 選挙戦では各候補が「都民のための議会」「開かれた議会」を力説します。選挙後に、時代遅れともみえる、手続きと制約の多い傍聴ルールを変えることが出来るのか、注目されます。