コーヒー飲料、ラテと中型PETに照準 「クラフトボス甘くないイタリアーノ」「ジョージア THE」シリーズなど 新ブランドも登場
コーヒー飲料市場は今年、ラテと500ml前後の中型PETの2つに照準を合わせた動きが顕著となっている。 その中心は「クラフトボス」のコーヒーシリーズ(サントリー食品インターナショナル)と「ジョージア」の「THE」シリーズ(コカ・コーラシステム)。ともに中型PETでラテを取り揃える。 この中で無糖ラテ市場の開拓に成功したのは「クラフトボス」。昨年4月に発売開始した「甘くないイタリアーノ」が発売初年度でトライアルからリピートにつながるなど定着の芽が出始め、今春のリニューアルで開花した。 「毎月大幅増が続いており、第3の柱へ育成することに成功した。PETコーヒーで、ブラックとラテ以外の商品を定番化させるのは難しい中、やっと定着した」(サントリー)と胸を張る。 秋冬に向けては「クラフトボス」コーヒーシリーズの目玉施策として、河合優実さんがアイドルデビューする内容のTVCMを放映しているほか「甘くないイタリアーノ」で新施策を予定している。 これに対し「ジョージア」は、「THE」シリーズの中で「THE ラテ」を主軸にしていく考えを鮮明にした。 日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部シニアブランドマネジャーは「フレーバーラテやラテの新製品が増加するなかで、“このラテにはどのような価値があるか”をもっと伝えていく必要がある」と語る。 この考えのもと、“ひと息ついたら、一歩踏み出したくなった。毎日って、けっこうドラマだ。”のブランドメッセージのもと「THE ブラック」とともに「THE ラテ」の味わいを表現した新TVCMを放映している。 PETに先駆けてボトル缶で無糖ラテ市場の開拓に成功したのは「タリーズコーヒー」ブランドの「バリスタズ」シリーズ(伊藤園)。 同シリーズの「無糖ラテ」はコーヒーにミルクを少し足した広義のブラックコーヒーとなり、ミルクをベースにしたPETの無糖ラテとは一線を画しつつも無糖ラテ市場を牽引。引き続き提案強化していく。 アサヒ飲料も無糖ラテ市場に注視。 同社の荒川浩一マーケティング本部マーケティング三部コーヒーグループリーダーは「無糖ラテの動向は常に見ている。一方で、カフェオレのようなしっかりと甘みがある商品も支持されており、お客様の嗜好性が広がっている」との見方を示す。 今年、コーヒー飲料市場の有望株とされる中型PETに新たに挑むの「タリーズコーヒー」。 新シリーズ「アロマエスプレッソ」を9月9日から発売している。 1-7月の販売数量で前年同期比8%増を記録した「ファイア」(キリンビバレッジ)は「ワンデイ」「アロマブリュー」の中型PET2シリーズに磨きをかけ10月にリニューアル発売した。