乗務員の「スメルハラスメント」対策進む 夏の到来で本格化
「接客のプロとして当然」と客室乗務員
一方で、おもてなしのプロといえば客室乗務員だ。今年3月にANAを退職した元客室乗務員のAさん(30)によると、香水を禁止するだけではなく、柔軟剤やヘアスプレーの香りにも気を使っていたという。接客時には乗客と距離が近いため、滞在先の食事にも気をつけていたという徹底ぶりだ。 ANAによると、制服を着用する社員に対して香りに関する一定の規定を設けており、飲食物を扱う場合には香水は禁止とし、柔軟剤や石鹸もにおいのつかない無香のものを使うようにしている。Aさんが「接客のプロとして当然」と話しているのも、うなずける。
10年間でボディケア市場が2倍に
日本人は基本的には無臭を好むという。「臭いものには蓋をする」ことわざがある日本だが、国際自動車やANAの取り組みには、おもてなしはまず「ニオイ」から、という日本人の繊細な気配りが透けてみえる。 マンダムによると、制汗機能のあるデオドラント用のボディソープ、ボディローションなどのボディケア市場は、2002年から2012年まで10年間で、88億円から173億円と、市場が2倍に拡大している。 最近では「化粧ポーチ男子」という言葉が現れたように、「身だしなみ」に対する男性の意識も高まっている。29日東北北部の梅雨が明け、すべての地域で梅雨が明けた。「ニオイ」に、一層気遣う本格的な夏がやってきた。 (山田 恵介/THE EAST TIMES)