北アルプスの絶景やユニークな風景が集まった「ヤマケイ・フォトコンテスト2020」
山と写真を愛する多くの読者に支持されてきたヤマケイ・フォトコンテストが復活!『山と溪谷』12月号に掲載した19作品から、「山岳景観」「自然風景」部門より、最優秀賞、優秀賞、入選作品を発表します。全国から集まった作品数は672点。たくさんのご応募ありがとうございました。優秀作品を、ここに紹介します。
山岳景観部門
●最優秀賞 雲舞う鳥海山/鳥海山・御浜小屋付近(2017年7月20日) 長谷川由美子さん(群馬県・63歳)[日本山岳写真協会、山岳写真同人峰所属] 三日月と金星を狙って暗いうちから登り始める。御浜小屋に着いたときには雲が広がっていたが、雲間から月を見ることができた。次第に空がピンクに染まり、太陽が顔を出す。雲がまるで舞っているかのようで、ニッコウキスゲとのコラボレーションが美しかった。 [選者コメント] 超広角レンズによる雄大な風景です。ハーフNDを使っているのでしょうか。逆光により手前のニッコウキスゲが浮かび上がり、特に鳥海山の山頂を中心に舞うような雲が印象的で、夏山の魅力が凝縮されています。ただし山肌部分を起こす画像処理が少し気になります。
●優秀賞 夜空の大河/南アルプス・烏帽子岳山頂にて(2019年5月12日) 前田由季さん(岐阜県・42歳) 烏帽子岳山頂より小河内岳と荒川三山の悪沢岳、中岳。残雪期の烏帽子岳は誰もおらず、貸し切りでした。静かな夜、遠く雪解け水の流れる音だけが山に響き、何度も流れる星々にただただ感動。小屋開け前の山は静かで最高です。 [選者コメント] この時期ならではの美しい星空ですね。夜空を斜めに流れる、いて座付近の天の川の角度がよく、残雪で浮かび上がる山々とうまくバランスされています。コントラストがやや強い印象なので、上げすぎないように気をつけてください。
●優秀賞 たなびく白雲/北アルプス・小遠見尾根にて(2018年12月22日) 鴨井和徳さん(新潟県・58歳)[久比岐ネイチャーフォトグラファーズ所属] 天気の回復を信じて待っていたところ、雲が開け、山容が見えてきた。雲の流れが早く、激しく変わる雲の形に迫力を感じながら撮影を行なった。 [選者コメント] 小遠見山に登った際は真っ白だったようですが、次第に雲が切れて五竜岳が姿を現わしたとのこと。こういう天気の変わり目はシャッターチャンスが多く、それを信じて撮影地点に向かった作者の粘り勝ちといったところでしょうか。