海底・水深を正確に測定できる…日本海工、水上ドローンの装備
日本海工(神戸市中央区、山下聖一郎社長)は、海中などの指定した場所を正確に測定できる水上ドローンを開発した。本体下部にスラスター(推進装置)内蔵のフロート型艇体を装着。目的地到着後に艇体がホバリングし、音響測深装置を降下することで海底の地形や水深を測れる。海底の地形や水深で漁獲量が大きく変動する水産物養殖業者向けに、2025年度に市場投入する。 新開発の「アクアドローンロボセン」は、本体下部の四隅にフロート型の艇体を装着。目的地までは通常の船舶と同じようにプログラミングで自動航行し、目的地に着いたら4個の艇体が定点保持しやすい姿勢に向きを変えてその場でホバリングし、音響測深装置で海底の地形や水深を測定する仕組み。 艇体や本体はワンボックスカーに積み込めるサイズに分解して現地で組み立てが可能で、ウェブカメラや水質計測器、レーザー探知機、障害物回避プログラム、アンカリング装置を搭載する。動力源はリチウムイオン電池(LiB)。プログラミングの自動航行で、沖合現場まで人が付いて行かなくとも自力で到着し、測定して帰還できる。 日本海工は建設業が主業で地盤改良や海洋土木を得意としており、水上ドローンもその延長上で開発した。当初は海上地盤改良工事の確認などの社内利用を想定していたが、特性や性能に着目したカキやウニなどの養殖業者から引き合いがあったため外販を決めた。 水産物の養殖は海底の地形や水深の違いで生産量に大きな影響を受ける。このため、「海流などで地形が変わらないかの定点観測調査の省人化が課題になっていた」(日本海工)という。 ドローン本体の拡販は行わず、要請を受けた後の自社スタッフの派遣で対応し、値崩れを防ぐ。