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『ティファニーで朝食を』の原作者が主催した、20世紀最大の舞踏会「Black and White Ball」

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ハーパーズ バザー・オンライン

『ティファニーで朝食を』の原作者で、エレガントで裕福な上流階級のソーシャライトたちと深い親交のあったトルーマン・カポーティ(Truman Capote)。1966年11月28日にニューヨークのプラザホテルで開かれた、カポーティ主催の「Black and White Ball」をご存知だろうか? 【写真】NY社交界の華、グロリア・ヴァンダービルトの生涯とレガシーを振り返る 実際に起きた事件をもとに書かれた『冷血』を1965年に発表し、さらに幅広い読者層を惹きつけたカポーティは、この名声の絶頂を祝うため、今までにない壮大な仮面舞踏会を開くことを決めた。 この舞踏会は、映画『マイ・フェア・レディ』(1964)の“黒と白”の衣装に身を包んだ女性たちが登場する競馬場でのシーンにインスパイアされたとも言われ、パーティの名前のとおり、男性はブラックタイ、女性は黒か白のドレスがドレスコード。モノクロの洋服とマスクで身を包んだ540名ものゲストたちが会場に集まった。 カポーティは、『ワシントン・ポスト』紙の発行人であるキャサリン・グラハム(Katharine Graham)を主賓に、画家のアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)や高名な貴族の一員であり、ソーシャライトのグロリア・ヴァンダービルト(Gloria Vanderbilt)、歌手のフランク・シナトラ(Frank Sinatra)と当時の妻のミア・ファロー(Mia Farrow)など、社交界やハリウッド、カルチャーシーンから時代を象徴するようなアイコンたちをこの舞踏会に招いた。

そのゲストに含まれる、“スワン”と呼ばれたカポーティのミューズであり、うち3人は『ハーパーズ バザー』とも深いつながりのあった6名の女性についても紹介したい。 バザーの名物編集長カーメル・スノウ(Carmel Snow)とファッションエディターのダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)の伝説コンビとも親交があったことから、編集部で働かないかとオファーされたこともあったスリム・キース(Slim Keith)、グロリア・ギネス(Gloria Guinness)は1963年から約8年間、バザーにファッションコラムを寄稿していた。元ファーストレディのジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)の妹であるリー・ラジウィル(Lee Radziwill)はダイアナ・ヴリーランドのアシスタントとしてバザーで働いていたこともある。 天性のソーシャライトともいわれるベイブ・ペイリー(Babe Paley)は、ジャクリーン・ケネディがお手本にするほどの気品に満ちたファッションアイコンであり、C.Z. ゲスト(C. Z. Guest)は女優でソーシャライト、マレラ・アニェッリ(Marella Agnelli)はイタリア貴族の一員で モデルやライターとして『ヴォーグ』で活躍した。

このような権力と影響力を兼ね備えた特権階級の夫を持つミューズたちと約20年間にわたって友情を築いたカポーティは、まだ自身の名が売れる前に、「有名になったら、裕福な友人たちのために盛大なパーティを開く」と宣言していたとも伝えられている(のちに自らその友情を破壊してしまうことになるのだが)。 カポーティは、彼の処女作『真夏の航海』にも登場させるほどプラザホテルがお気に入りだった。彼が16000ドル(現代の価値で約1千3百万円)を投じて、プラザホテルのグランドボールルームで行われた、モノクロの魔法がかけられた世紀の舞踏会は、間違いなくこれからも語り継がれていくのだろう。

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