【有馬記念】フィエールマンは続戦大丈夫?能力値、最高値ともに断然のクロノジェネシスが取りこぼせばウルトラ大波乱
エリザベス女王杯組は苦戦が濃厚
今秋の秋華賞、菊花賞、ジャパンCばかりが激流ではない。今秋のエリザベス女王杯もノームコアの突然の逃げ、それも前半から後続を引き離す逃げで激流になった。それを証明するかのように、同馬はエリザべス女王杯16着大敗から香港Cで優勝と、V字復活を収めた。 つまり、ノームコアがオーバーペースの逃げを打ったことで、展開に恵まれれて1着、2着と好走したラッキーライラックやサラキアは、能力値上位でもあてにならないということ。サラキアは鞍上が池添騎手で、陣営も「終いを生かす形で距離をこなしたい」とコメントしていることから、後方列で脚を温存しての競馬は推測される。しかし、昨年のように超ハイペースの有馬記念にならないと苦しいだろう。ラッキーライラックに至っては、休養明けで最高値を記録した後の一戦となるだけに、二走ボケを起こす危険性もある。
フィエールマン他、能力値上位馬について
能力値2位のフィエールマンは一戦ごとの消耗が大きい馬で、これまでレースを使う度に休養させて、それを繰り返すことでどうにか連続好走することができた。唯一、続戦したのは札幌記念3着から中6週で挑んだ昨年の凱旋門賞時だが、結果は12着大敗。確かにこの年の凱旋門賞は馬場が重くて、高速馬場ばかり走っている日本馬は苦戦して当然ではあった。しかし、勝ちに行く競馬をしたぶんがあったにせよ、キセキにも先着を許し、殿負けを喫している。 フィエールマンは春の天皇賞を二連覇していると言っても、コテコテのステイヤーではなく、後半勝負の秋の天皇賞でもメンバー最速の上がりを駆使して2着と対応できているので、有馬記念の適性自体は問題ないだろう。一頓挫あったようだが、出走してくる以上は大きな問題はないはず。ただ、これまで続戦を避けてきた同馬が、今回で続戦することは何よりも気掛かりだ。 また、能力値3位のカレンブーケドールは、昨年よりもハイレベルは今年のジャパンCで、展開に恵まれ4着と好走。1枠1番だった同馬は1枠2番のアーモンドアイに序盤で絞められて、位置を下げることになったが、結果オーライだったとみている。展開に恵まれて最高値を記録した後の一戦となるだけに、同馬も苦しいだろう。 逆にチャンスがあるのは、能力値5位タイのワールドプレミアだ。同馬は昨年の有馬記念は、アエロリットが大逃げを打って超ハイペースにしたことで、最後方からの奇襲がうまくはまったのは間違いない。しかし、長期休養明けの前走ジャパンCでは、同馬の能力を出し切れていないので、ここで変わり身があっても不思議ない。また、同馬は距離が延びて指数を上昇させた馬だけに、高速馬場の東京芝2400mよりも時計の掛かる馬場の芝2500mの方が向くだろう。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)クロノジェネシスの前走指数「-28」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.8秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ