次世代型ゴミ収集車実用化へ、三菱ふそうがEV実証継続参画の狙い
三菱ふそうトラック・バスは自動運転で作業員を追尾するゴミ収集車を用いた環境省の実証事業に2024年度も継続参画する。数十メートル間隔でゴミ集積所がある都市部などでのゴミ収集の際に、運転手が車両の乗降を繰り返す手間を軽減する狙い。電気自動車(EV)タイプのゴミ収集車に自動追尾機能を装備し、二酸化炭素(CO2)削減も図る。23年度までの事業期間中には公道で実証実験も行った。実証継続を通じ、次世代型ゴミ収集車の実用化を目指す。 【写真】開発した自動追尾機能付きのEVゴミ収集車「eキャンターセンサーコレクト」 同事業では、同社のEV小型トラック「eキャンター」をベースに開発した自動追尾型EVゴミ収集車を使用する。21―23年度の実証事業では試作車の製作や技術開発を実施。23年11月に川崎市内の公道で実証実験を行うなどの成果を上げた。 公道実証で用いた車両は前方と後方にミラー兼用のカメラセンサーを搭載した。運転席から降車する人を「運転手」と認識。収集エリアに到着し、運転手が降車して徒歩でゴミ集積所に向かうと、車両がそれを認識して自動走行で追尾する。 車両は無線通信による遠隔操作が可能。停止するゴミ集積所の位置を運転手がリモート端末で指定すると、自動で減速・停止する。安全区域に人が侵入した際の緊急停止なども遠隔で操作できる。 一般的にゴミ収集作業は、集積所に到着すると運転手が降りてゴミを車両に積み、再度車両に乗り込んで次の集積所に向かう。集積所の間隔が短いエリアの収集作業では、頻繁な乗降による運転手の身体的負担が課題となっていた。