他人の脳と身体を乗っ取る暗殺者と乗っ取られた側の攻防を描く 映画『ポゼッサー』予告映像が公開
鬼才デヴィッド・クローネンバーグの遺伝子を完璧に受け継いだ息子ブランドン・クローネンバーグが『アンチヴァイラル』から8年ぶりに発表した映画『ポゼッサー』。他人の意識と肉体を乗っ取りミッションを遂行する暗殺者の女性と、乗っ取られた側の男の攻防を描く。 この度、本予告映像が公開された。 映像では、暗殺者のタシャがある黒人女性を乗っ取り男性をめった刺しにするという衝撃的なシーンの一部が映し出される。鮮血の描写は、イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の『オペラ座/血の喝采』の技術面を参考にしたという。タシャには、幼い息子と別れたパートナーの男性がおり、暗殺者である自分の正体を二人に隠している。そんなタシャの次なる標的は巨大企業のCEOであり、その令嬢の婿コリン・テイトに入り込み、暗殺を行うこと。テイトに乗り移って暗殺を遂行しようとするタシャだったが、他人の脳から脱出する為には、その脳を破壊しなければならない。しかし、口の中に銃を突っ込み、引き金を引こうとするタシャだったが、どうしても撃つことができない。同じ肉体の中で激しくぶつかり合うタシャとテイトの攻防が、眩い光の点滅、流動する人体の輪郭と、フィジカルな特殊効果により達成された独自の美しさによって描かれていく。誰が真の<POSSESSOR/所有者>なのか?自分は自分の<POSSESSOR/所有者>でいられるか?最後に映る、まるで人間の抜け殻になったかのような、タシャのマスクを被った異様な姿も強烈なインパクトを残す。 本作は作品の主題と描写が極めて刺激が強いため、18歳未満は閲覧禁止。またアメリカの評論家エリアス・サバダに「シェイクスピアも辿り着かなかった悲劇であり、ブランドン・クローネンバーグ監督は1段階ランクをあげた。彼の持つ闇は底無しだ」(※Film International)と言わしめた。 映画『ポゼッサー』は3月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺他にて全国順次公開。
otocoto編集部