【都市対抗】大会を大いに盛り上げた北海道ガスの“北海道らしさ”を感じさせる熱い応援
プロデューサーは元野球部員
【第95回都市対抗野球大会】 7月26日 東京ドーム ▽2回戦 西濃運輸11-1北海道ガス (8回コールド) 北海道ガス(札幌市)は1回戦(対NTT東日本)で初戦突破(7対3)を遂げ、都市対抗大会における北海道勢の100勝目を挙げた。 記念すべき1勝をスタンドから見守っていたのが、北海道ガス硬式野球部応援団のプロデューサー・加藤千尋さんである。 かつては選手たちとグラウンドでともに汗を流した元野球部員だ。もともとは同社の軟式野球部に所属していた。入社2年目の2018年に硬式野球部が発足し「部員が少なかったので5人が硬式野球部に入ったのですが、そのなかの一人でした。試合に出場することはありませんでしたが、ブルペンキャッチャーなどをやっていました亅と、3シーズン在籍した。 野球部を退部して以降も「裏方でチームを支える役割をしていましたが、引退した後も力になりたいと考えていました亅と、応援団に入団。現在はプロデューサーとして応援の指示出しをしており、試合前に行われるエールの交換をする大役も任されている。
今年の北海道ガス応援団の売りは、リーダーとチアをすべて社員でまかなっていることだ。 「野球部の応援がしたい、と志願してくれた新人が14人も入団し、総勢は30人を超えました。週2日、終業後に3時間ほど練習をしてきたのですが、皆、頑張ってくれました」 応援スキルも上がってきた。昨年は「腕の動きが早くて、そろえられなかった亅という「神風亅を、通常曲として扱えるようになり、ボードを使った演出も精度が上がっている。
「SHOW TIME」ではソーラン節を披露
応援コンクールの「SHOW TIME」ではソーラン節を披露。「北海道の小学校では運動会でソーラン節を踊るのですが、基本の振りにアレンジを加え、肩車をしてステージの真ん中にタワーを作りました亅。そして、チャンスの場面では「ジンギスカン」が流されるほか、「北の国から」や松山千春の「大空と大地の中で亅など、北海道にちなんだ楽曲も演奏され、応援を後押ししている。 昨年の女子部員に続き、今年は男子部員のユニフォームを新調。「野球部に合わせて白色から黒色にし、一体感を出しています」。 こうした大応援の後押しもあって、北海道勢100勝目を挙げ「勝った瞬間は最高でした。団員の間では『努力が報われて良かったね』と話し合っています」と加藤さん。 2回戦の試合前には、スタメン出場した寺田和史(東北福祉大)ら、野球部で一緒にプレーしていた選手たちに「スタンドから全力で応援します。絶対に勝ちましょう」とLINEを送っていたという。しかし、試合は西濃運輸(大垣市)に1対11の8回コールド負けを喫した。残念ながらベスト8進出はならなかったが、北海道らしさを感じさせる熱い応援は、大会を大いに盛り上げてくれた。 文=大平明
週刊ベースボール