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新型コロナで「地元進学」増加へ、文科省の眠っていた施策が蘇る

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「地域連携プラットフォーム」は機能するか

 文部科学省は地域における高等教育を複数の大学、高等専門学校、地方自治体、企業で議論する「地域連携プラットフォーム」構築のガイドライン(指針)を固めた。市、県や広域ブロックで域内の進学率・就職率などデータを共有し、中長期の総合計画を策定。地元ニーズに基づいた大学連携や学部再編、社会人教育、インターンシップ(就業体験)や奨学金の共同実施など具体的に活動する。 進む有力大学の“東京ローカル化”、早慶は70%台という危機  地域の学長や自治体トップが年1回で集まる協議会は多いが、今回は地域を変える実動部隊がポイントだ。新型コロナウイルス感染症の経験から、地元進学増など地域内活動がより重要になるとの声もある。そのため参加者の中心は学部長などミドルクラスで、しっかりした事務局を自治体などに置く。  運営組織は既存の協議会などの強化や、法人形態が異なる機関がより強く関わる「大学等連携推進法人」(仮称)など候補になる。予算は参画組織の会費を中心に地方創生の政府予算、企業版ふるさと納税などで確保する。中心の大学は国公私立さまざまとなる。  プラットフォームでは地域の社会・産業構造や人口動態の現状と予測などのデータ、県や大学の長期ビジョンを共有し、“地域の高等教育のグランドデザイン”など構築する。具体策は地域課題解決の実践的な教育プロジェクト、事業承継に特化したビジネススクール、志願者確保の裏付けがある学部・学科再編、私立大学の公立化議論など想定する。指針では前橋市の「県都まえばし創生プラン」など事例を掲載する。

<記者の目>

 「今後は地元進学の希望が増えるだろう」ー。ある公立大学関係の幹部の発言を先日、耳にしてはっと気がついた。新型コロナウイルス感染症の対策で、大学の開講が後ろ倒しになりながら帰省も抑制が求められるという今春の状況は、一人暮らしの学生にとって辛いものだったろう。  何かあった時を思うと心配で、都市部への進学希望を転換する生徒や親が増えるという予想は、なるほどもっともだ。地域連携プラットフォームは2018年の中央教育審議会の答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」に記載され、同審議会大学分科会で議論をしてきたもの。当時は予想していなかった新型コロナは、プラットフォームの前向きな活動を後押しするものになるかもしれない。 (日刊工業新聞・山本佳世子)

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