延長前半にゴールを奪った八幡南が北九州の反撃を抑えて3回戦進出
5月21日、令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選が福岡フットボールセンターで行われ、2回戦で八幡南と北九州が対戦。ともに一歩も譲らぬ試合は延長戦にもつれ込む接戦となったが、延長前半にゴールを奪った八幡南が北九州の反撃を抑えて3回戦進出を果たした。 【フォトギャラリー】八幡南 vs 北九州 試合が動いたのは開始直後の5分。八幡南陣内左サイドから原大翔(北九州)が放った直接FKがGKの手を弾いてゴールネットを揺らした。その勢いのままに立ち上がりにリズムを刻んだのは北九州。少ないタッチでテンポ良くボールを回し、縦の推進力と最終ラインからの正確なフィードを武器に八幡南を押し込み、セカンドボールを支配して連続攻撃を繰り出していく。 だが八幡南も粘り強さを見せる。局面の強さは八幡南の持ち味。豊富な運動量を活かしてボールホルダーに激しく身体を寄せ、押し込まれながらも追加点を許さない。そして、この我慢の時間を凌いだことで15分を過ぎた辺りから、ようやく自分たちのリズムでボールを運べるようになる。そんな八幡南の同点ゴールは前半18分。左サイドからのCKを後藤樹が直接ゴールに放り込んだ。 ここからは一進一退の展開。テンポの良いパスワークをベースにサイドアタックを仕掛ける北九州と、素早い寄せで粘り強く守ってセットプレーからチャンスを窺う八幡南はともに譲らず。お互いにゴールに迫るシーンは作ったが、ともに相手に決定機を許さないままに35分が経過。試合は1-1のまま後半に折り返した。 後半も一進一退の主導権争いは変わらない。だが、キックオフ時点で24℃あった気温は徐々に上昇。試合は消耗戦の様相を呈し、疲労のためか互いにミスが多くなり我慢の時間が続く。そんな中で主導権を奪ったのは運動量の豊富さで上回る八幡南。縦への推進力に陰りが見える北九州に対して、中盤でボールを奪うと素早く切り替えて北九州ゴールへ迫る回数が多くなっていく。 八幡南の狙いは北九州の最終ラインの裏。前へ出ようとする北九州に対して、シンプルにダイアゴナルなロングボールをラインの裏に放り込み、そこへFWを走り込ませる。狙い通りにいくつかの決定機を作り出したが、やはり疲労の影響か、わずかにタイミングが合わずにゴールは生まれない。結局、そのまま後半が終了。勝負は延長戦へと持ち越された。
延長前半は再び北九州が主導権を握る。立ち上がりに見せたテンポの良いパスワークが復活。リズミカルにパスを回し、両サイドを広く使って八幡南の堅守を崩しにかかる。だが、前がかりになる北九州に生まれた一瞬の隙を八幡南は見逃さない。延長前半の4分、鋭いカウンターを仕掛けてPKを奪取。これを津山朋輝が落ち着いて決めて1点のリードを奪うと、その後の北九州の反撃を危なげなく防いで3回戦進出を決めた。 (文・写真=中倉一志)