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「店名は言えません」口を閉ざす中洲の感染者たち 福岡市のコロナ追跡が難航

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西日本新聞

 九州最大の歓楽街、福岡市・中洲で、キャバクラの客や従業員らの新型コロナウイルスの感染確認が相次ぐ中、感染者が店名を明かさず、濃厚接触者の追跡が難航している。感染疑いのある人を放置すれば、感染の連鎖につながる恐れもある。市は感染者の説得を続ける一方、中洲の接待を伴う飲食店の従業員らを重点的に検査することも検討している。 【写真】酔客の姿が戻ってきた中洲の目抜き通り=福岡市博多区  「店名は言えません」。市保健所職員に対し、今月中旬に感染が判明した男性はこう繰り返す。理由を聞いても明確な答えはなく、職員が「中洲全体のことを考えてほしい」と話しても反応は鈍い。一緒にキャバクラを訪れた他の5人も一様に口を閉ざす。「店名を伝えることにメリットを感じない」と話す別の感染者もいるという。  市によると、今月10日以降、男性客6人のほか、従業員の男女3人の感染を確認。市内ではこれらの感染者から派生したとみられる友人ら女性4人の感染も判明した。男性客らが別の日に立ち寄ったものの特定できていない飲食店もあり、同席者の一部は分かっていない。  キャバクラなど「夜の街」の濃厚接触者の把握にはこれまでも苦慮している。感染症法は感染者について「必要な調査に協力するよう努めなければならない」とするが強制力はない。福岡市内で感染者が急増した3、4月にも、来店したキャバクラなどを答えない感染者が「3、4割ほどいた」(市幹部)といい、感染拡大の一因となった可能性もある。  一方、店を特定し、公表したことでウイルスの封じ込めに成功したと考えられる例もある。福岡県久留米市で4月に発生したナイトクラブでのクラスター(感染者集団)。オーナーの同意を得て市が店名を公表すると、市には利用客らから計70件ほどの連絡があり、複数人は検査で陽性となった。クラスターは計27人に上ったが、その後、同市内で新たな感染者は確認されていない。市保健予防課は「感染の疑いがある人を可能な限り追うことができた。感染者と信頼関係を築けたことが大きい」とする。  福岡市は福岡県の協力で19日までに、中洲の接待を伴う飲食店約920店に対し、客や店員に症状がある場合に連絡を求める文書を送った。市幹部は「店への配慮やプライバシー上の理由で話したくないんじゃないか。ただ、感染が広がるだけ『中洲ブランド』が傷ついてしまい、影響が大きくなることを理解してほしい」と訴える。 (泉修平) ※記事中にある感染者が確認された店舗と、写真リンクに6月20日10時20分~18時30分まで掲載された店舗とはまったく関係ありません

西日本新聞社

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