【プレミアプレーオフ】京都U-18、仙台ユースに快勝でプレミア昇格まであと1勝
高円宮杯 JAF U-18サッカープレミアリーグ2024プレーオフのBブロック1回戦、ベガルタ仙台ユース(プリンスリーグ東北2位)と京都サンガF.C,U-18(プリンスリーグ関西2位)の試合が広島広域公園補助競技場で行われた。 【フォトギャラリー】ベガルタ仙台ユース vs 京都サンガF.C. U-18 序盤はお互いに低い位置からロングボールを送り込み、守備陣が跳ね返す試合の入り方となった。試合にペースをつかんでいったのは京都U-18。DF神田幸太郎(3年)を中心に最終ラインが強さを見せ、攻撃でも相手ゴールに迫る場面を作っていく。そして先制点は17分、京都U-18に生まれる。MF昌山勇(2年)の蹴ったCKからゴール前で混戦となり、最後はDF小林治英(3年)が押し込んだ。さらに20分、今度はFKから昌山の蹴ったボールをファーサイドでフリーとなったMF立川遼翔(3年)がヘディングシュートを放ち、相手GKの頭上を越える軌道でネットに吸い込まれていった。勢いに乗る京都U-18は30分にも追加点。再びCKから昌山の左足から放たれた鋭いボールが相手選手の頭をかすめてネットを揺らすオウンゴールとなった。対する仙台はボールを奪ってからの攻撃が上手くいかず、相手のプレッシャーの前になかなかボールを敵陣深くまで運べない。36分にカウンターからMF斉藤俊輔(3年)が左足でシュートを放つも枠を捕らえず、前半は京都U-18が3点リードで折り返す。 後半開始から仙台ユースはFWピドゥ大樹(2年)を投入。何人かの選手の配置も変更して反撃に出ようとする。前半よりも攻撃を仕掛けてゴールに迫る回数が増えてゆき、61分には味方からエリア内へ送り込まれたパスに反応してゴール前まで攻め上がった右SB門脇康太(3年)がシュートを放つが、京都U-18GK本多敦(2年)の好守に阻まれてしまう。そして65分、次のゴールも京都に生まれる。相手ゴール前まで攻め込んで相手の守備ラインを押し下げると、右SB柴田了祐(3年)が放ったミドルシュートが決まった。 4点差となった仙台ユースだが、ベンチから安川洋介監督はピッチ内へ声を送り続け、選手たちも諦めない姿勢を打ち出す。それが実ったのが73分、ゴール前まで攻め込んでドリブルを仕掛けた味方がヒールで残したボールをMF横山颯大(3年)が左足を振り抜いたシュートが決まって1点を返した。 ところが直後の80分、自陣深くで古川柊斗が相手選手を激しいチャージで倒して警告。さらに抗議する京都の選手の胸を突き飛ばす行為にも警告が出て、退場となってしまう。反撃ムードに水が差された仙台に対して、京都U-18は85分に味方からのパスに反応して裏へ抜け出した阿部亮馬がGKとの1対1を制してゴール。その後は危なげなく試合を進め試合は5-1で終了。京都U-18が勝利した。 試合後、京都U-18の石田英之監督は「セットプレーからの得点は狙っていたので、先制点と追加点を取れたのは大きかった。(FKやCKを蹴った)昌山のキックもばっちりでしたね」と試合を振り返った。狙いとする戦いからゴールを積み重ね、交代選手も活躍して得点を決めるなど、いい流れを生み出しての勝利だった。 初戦を突破したが、一昨年と昨年は初戦を突破した後の試合で涙を飲んでいる。だが今年は「3年生はそれを経験しているし、過度に緊張することなく力を発揮できました。試合を終わった後も、選手たちに緩んでいる様子はなかった」と話している。8日に行われる最後の決戦へ、全てをかけて挑む。 一方、敗れた仙台ユースは京都U-18のプレスに苦戦し、敗退となった。来季からのトップチーム昇格が内定している横山を後半開始の選手交代を機にボランチから右サイドハーフへ移したことで後半に反撃を見せたが、力及ばず。昨年あと一歩で逃したプレミアリーグ昇格への挑戦は、初戦で幕を閉じた。 (文・写真=雨堤俊祐)