Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

自転車ロードレース解説者・栗村修が語る"ツール・ド・フランス"

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
HOMINIS(ホミニス)

新型コロナウイルスの影響で6月開催から延期になってしまった世界最大の自転車ロードレースがいよいよ開幕。前代未聞の状況となった今大会だが、本番へ向けて調整を続けている選手の近況や大会の見どころについて、分かりやすい解説でおなじみの栗村修さんに聞いた。 【写真を見る】Cycle*2020 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 2ヶ月遅れながら開催が決まり、世界中の「ツール・ド・フランス」ファンはひと安心。だが、栗村さんによれば、この延期が選手の調整を例年以上に難しくさせているという。 「外出自粛期間中、各選手は自国で過ごしていましたが、国によって規制状況が異なりました。例えば、ベルギーは自転車の路上練習が可能。一方、フランスは5月上旬まで路上走行不可でした。ツールで優勝を狙う選手はみんな高地トレーニングがしたいんです。でも、モナコは海抜ゼロだから練習できない選手もいる。そうなると、最近活躍が著しいコロンビア人選手が有利。もともと標高が高い地域で生まれ、なおかつ緊急事態宣言中ながらも、ツール出場選手は路上を走ってOKという大統領の許可が出ていたんです。ヨーロッパの選手も本番に向けてピッチを上げていきますが、開幕までの期間を考えると大きな差になります」 室内練習も不可欠だが、選手によって得手不得手があるそう。 「室内ではローラー台という機材の上で自転車をこぎます。バーチャル映像と連動し、人の後ろに近づくと空気抵抗が軽減されたり、上り坂では負荷に変化が出るようになっています。うまく活用すれば効率良く練習できますが、単調な室内練習を苦手とする選手もいます。この得手不得手を含め、現状では練習方法に格差があるのは事実です」 そんな中、当初と変わらず、山岳コースが特徴の全21ステージで熱戦が展開される。 「チームでは、ツールを4回制しているクリス・フルーム、優勝経験のあるゲラント・トーマス、エガン・ベルナルという3人のエースを擁する王者イネオス(英)が本命。対抗馬のユンボ・ヴィスマ(蘭)も昨年のスペイン1周レースで勝ったプリモシュ・ログリッチをはじめ、イネオスと同じく"トリプルエース"で臨みます。選手では、山岳スペシャリストであるティボー・ピノ(仏)に注目です。すぐ泣き、よく転ぶピノはトップ選手に比べて逆境力と人間力がやや弱いですが(笑)、彼が優勝争いに食い込むような走りを見せると、ツールに特別な思いを抱く地元の人々は盛り上がると思います。特に、最終日前日の第20ステージの個人タイムトライアルでの走りは、個人的にも期待しています!」 くりむら・おさむ●'71年生まれ、神奈川県出身。17歳で渡仏し、欧州プロチームと契約するなど、引退するまでロードレーサーとして活躍。現在、解説者としても精力的に活動中。 文=小池貴之 取材協力:J SPORTS

HOMINIS

【関連記事】