立民・野田佳彦代表、問われる誠実さ 「政治とカネ」でちぐはぐ対応
政治改革を巡り、立憲民主党の野田佳彦代表の誠実さが問われている。政策活動費の廃止や企業・団体献金禁止などで改革を主導すると息巻く立民だが、野田氏自身が企業・団体献金を昨年受け取るなど、ちぐはぐな言動が目立つためだ。先の衆院選では、自民党派閥のパーティー収入不記載事件への批判を強め、党を勝利に導いた野田氏に「政治とカネ」の問題が降りかかってきた。 ■ニトリから356万円 野田氏は13日の記者会見で、企業・団体献金に関する見解を問われ「完全に悪という立場ではない。だから今まで受け取ってきた」と説明した。令和5年分政治資金収支報告書によると、野田氏が代表を務める政党支部は家具大手のニトリホールディングスなどから計356万円の献金を受け取っていた。 だが、立民は企業・団体献金について「政治をゆがめる大きな根源」(大串博志代表代行)などと主張しており、与党に企業・団体献金禁止を迫ってきた。国会審議でも、「政策をゆがめる」(吉田晴美衆院議員)、「企業・団体献金という経済的支援が政策に影響を与えることにならないのか」(小沼巧参院議員)などと自民を攻め立てた。 野田氏は今後、企業・団体献金を受け取らないと宣言した。その上で自身や党の政策がゆがめられたかどうかただされると「党も私もゆがめられたとは思わない」と断言。「私の場合は圧倒的に個人献金が多く、特定の企業のために何かをすることを全く考えたことはない」と述べつつ、自民は献金額が大きいので「ゆがめられる可能性があるのではないか」と強調した。 ■求められる言動一致 また、野田氏は調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の領収書公開を巡り、9月のTBS番組で「(自身の分は)10月から公開しようと思っている」と言明したが、今も実行していない。自身の分について年内公開に踏み切ると約束しつつ、「一人で先行すると全体にも影響する」などと弁明している。 政治資金パーティーについても、先の通常国会では全面禁止法案を提出したが、その後に岡田克也元幹事長らがパーティー開催を計画していたことが発覚した。
野田氏は今月2日の代表質問で、「『信なくば立たず』という状況が、いつまでも続くというのは日本にとって大きなマイナスだ」と力説したが、まずは自身の言行一致が求められそうだ。(深津響)