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独仏主導の「欧州復興基金」に分裂の暗雲。オランダ、北欧諸国など「新ハンザ同盟」の動きが気になる

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BUSINESS INSIDER JAPAN

依然、金融市場は新型コロナウイルス関連のトピックで持ち切りだが、徐々に経済の再稼働に関するさまざまの議論が耳目を集めるようになってきている。 【全画像をみる】独仏主導の「欧州復興基金」に分裂の暗雲。オランダ、北欧諸国など「新ハンザ同盟」の動きが気になる 感染拡大で甚大な被害を受けた欧州も同様であり、とりわけドイツが経済再稼働への先陣を切ったことは世界中で大きく報じられた。

ドイツの「譲歩」がもつ意味

メルケル独首相とマクロン仏大統領は5月18日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた欧州経済の復興のため、5000億ユーロ(約58兆5000億円)規模の「復興基金」を設立することで合意したと発表した。 欧州連合(EU)としての共同基金であり、永年の課題である「共同債」への一里塚になるとも考えられる。 メルケル首相の「EUの歴史において最も深刻な危機には、それにふさわしい答えが必要だ」との発言は、従来のドイツの立場を180度覆すものであり、感染抑止を経て支持率を復調させている同首相なればこそだ。 この独仏提案の最大のポイントは、新たに設立される復興基金は欧州委員会発行の債券を原資とする「補助金」であって「融資」ではない、という点にドイツが合意したことだ。基金から受け取る資金は返済の必要がないことになる。 これは、イタリアやスペインなど支援を希望する側が要求し、ドイツ、オーストリア、オランダなど支援を提供する側との認識のミゾが最も大きかった論点で、ドイツがそこで譲歩したことは大きな意味をもつ。 欧州中央銀行(ECB)が導入した「パンデミック緊急購入プログラム」(※)に違憲判断をちらつかせて横やりを入れるドイツ憲法裁判所に批判が集まっており、独政府として何らかの譲歩が必要と考えた上での結論、というのは邪推が過ぎるだろうか。 ※パンデミック緊急購入プログラム……債権や国債などの資産購入を通じた量的緩和により、金融市場を安定させ、ユーロ圏経済の悪化を未然に防ぐための緊急措置。ECBが3月18日に導入を決めた。7500億円(約89兆円)規模で、2020年末まで実施する。

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