「痛みから解放された」ボン、6年ぶりW杯復帰へ アルペンスキー元女王
【AFP=時事】6年ぶりに現役復帰を果たしたアルペンスキーの元女王リンゼイ・ボン(米国)は13日、スイスのサン・モリッツで次週開催されるW杯に出場すると発表し、可能性の限界を再定義したいと語った。 【写真】会見に臨むボン 五輪と世界選手権で数々のメダルを手にしている40歳のボンは、今年4月に右膝の置換手術を受けて数年ぶりに「痛みから解放された」生活が送れるようになり、競技復帰を決意した。今週末に米コロラド州ビーバークリークで行われるW杯では、滑降とスーパー大回転でフォアランナーを務めるという。 ボンは年齢を重ねてから競技生活に戻る上での成功例として、米体操界の女王シモーネ・バイルス(27)の存在を挙げ、「シモーネ・バイルスは年を重ねてもできるという完璧な例だと思う。しかも、彼女はまだ若い」「それはとにかく、そのスポーツの適齢期と言われている範囲を超えている」と語った。 さらに、「女性は家庭を築きたいという理由で引退することが多く、男性とは異なる人生のプレッシャーがある。それに男性スキーヤーには42歳、43歳で世界選手権や五輪のメダルを獲得している選手が大勢いる」とし、「だから不可能ではないし、まだ成し遂げられていないだけ。自分が新しいことをしているとは思わない。自分にとって正しいと感じることをしているだけで、他の女性たちがやってきたことを続けているにすぎない」と話した。 ボンが復帰を決意した最大の理由は、2019年2月に引退するまで何年も悩まされ続けたけがから回復したことだった。競技レベルに戻るまでには1レースか2レースはかかると想定しつつも、「必ず以前のレベルを取り戻してみせる」と意気込んでいる。 前週には、米コロラド州コッパーマウンテンで行われた国際スキー連盟(FIS)の下部大会に出場し、スーパー大回転を2本滑ってそれぞれ19位と24位を記録。いずれも優勝タイムとは2秒以上の差がついていた。 ボンは引退当時、W杯歴代1位の82勝を誇る最も輝かしい女子スキーヤーだった。記録はその後、同胞のミカエラ・シフリン(現在99勝)に塗り替えられた。 W杯では2004年に初勝利を挙げて以降、表彰台137回を記録したほか、4度の総合優勝を飾り、16回の種目別制覇を果たした。 さらに世界選手権では計8個のメダル、五輪では2010年バンクーバー冬季五輪の滑降で手にした金メダルを含む計3個のメダルに輝いた。【翻訳編集】 AFPBB News