起訴から5年…国会議員・曺国被告にようやく懲役2年の実刑確定、不義をのさばらせた裁判遅延【12月13日付社説】
韓国野党・祖国革新党の曺国(チョ・グク)代表は12日、娘の入試不正や青瓦台(韓国大統領府)監察もみ消しなどの容疑により大法院(最高裁判所に相当)で懲役2年の実刑が確定した。起訴から5年、社会に数々の対立を引き起こしたいわゆる「曺国事態」に対する司法の判断にやっと区切りがついたのだ。曺国代表はこの判決により国会議員の身分がはく奪され、党の代表も辞任した。曺国代表は「判決を謙虚に受け入れる」としながらも、最後まで謝罪などはしなかった。 【写真】「監獄に行ったら腕立て・スクワット・プランクを一生懸命やって出てくる」 タンクトップ姿で懸垂する曺国氏
曺国代表の娘による入試不正は法律で裁くような問題ではなく、誰が見ても明らかな不正だ。まず高校生が医学専門論文の著者になるなどあり得ないことで、医学専門大学院入試の際には虚偽のインターン確認書や大学の表彰状を提出した。また息子の入試では虚偽のソウル大学インターン確認書を活用した。青瓦台民情首席在任中には政界からの請託を受け柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市副市長に対する青瓦台特別監察チームによる監察をもみ消した。裁判所は一審から大法院に至るまで全てこれらを有罪と認めた。曺国代表は大学教授だった時に良心的かつ正義感あふれる知識人として知られていたが、実際はネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと)で国民は大きく失望した。曺国代表の容疑は文在寅(ムン・ジェイン)前政権で法務部(省に相当)長官に任命される前からすでに知られていたが、それでも文前大統領は曺国代表を長官に任命し、韓国国内で大きな対立を引き起こした。 ところが曺国代表は自らの不法行為を一度も認めていない。裁判中には「検察は捜査ではなく狩猟している」と回顧録に記載し、そのブックコンサートを開いて本を売った。二審の判決が出る直前には「非法律的方式の名誉回復」を宣言したかと思えば、自らの名前を使った政党を立ち上げて選挙に出馬し、さらに党の綱領では「入試の機会均等」を掲げた。曺国代表の娘もユーチューブを通じ「やましいことはない」として物品販売を行った。下級審の裁判長は曺国代表の家族を「真実を語る人たちに精神的苦痛を与えた」と批判した。まさにその言葉通りだ。 ただし判決が出るまであまりに時間がかかったことは問題であり、そもそもこれほど長い時間が必要な事案ではなかった。明らかな証拠もたくさんあった。ところが金命洙(キム・ミョンス)前大法院(最高裁判所に相当)長がウリ法研究会出身の判事らにこの事件を担当させたため、裁判は大きく遅延した。一審は3年2カ月かかり、二審も1年かかった。二審の裁判長は懲役2年の実刑を宣告したが、法定拘束しなかったため曺国代表が国会議員となる道を開いた。裁判所による裁判の遅延が今回の不義を生み出したのだ。これ以上司法の判断が遅れ、不義がのさばるような事態が繰り返されてはならない。