「6代目は4000人に増加、神戸は500人と半分以下に…」 山口組分裂抗争がついに最終局面へ 両組の構成員数に差が出た“決定的理由”
国内最大の暴力団、6代目山口組から神戸山口組が離脱したのは、2015年8月のことだった。 【写真】ハットとサングラスを身に着ける6代目山口組・司忍組長 巨大組織が分裂したことに伴う対立抗争は、2022年に入り8年目を迎えた。分裂した当初、6代目山口組の構成員は約6000人。対して神戸山口組は約2800人が警察当局によって確認されていた。(全2回の1回目/ 続きを読む )
神戸山口組は約500人に減少、かたや6代目山口組は構成員増加
実は6代目山口組をはじめ指定暴力団の構成員数は毎年の年末時点で各地の警察本部が集計し、警察庁が取りまとめてデータベース化しているのだが、ここにひとつの未発表データがある。 2021年末時点で警察当局が集計した最新データだ。これを見ると、昨年、両組に大きな動きが見られたことがわかる。神戸山口組の構成員が、約500人にまで減少していたのだ。実に分裂時の2割以下である。一方で、6代目山口組の構成員数については、最新データでは約4000人だった。双方の構成員数は、実に8倍もの差がついている。 特筆すべきは6代目山口組の構成員数だ。2020年末のデータでは約3800人だったため、昨年1年間で200人前後、“増加”していたことになる。 2011年までに暴力団排除条例が全国で整備されたこともあり、近年は組員らが組織を離脱するケースも多く、暴力団構成員数は減少傾向にある。そんな中で、6代目は久しぶりに「人員増」となった。 当然、これだけの勢力差が出てくると、対立抗争は6代目山口組側が優勢に進めることとなる。しかし、構成員が大きく減少したとはいえ、未だ神戸山口組も500人前後の大勢力であることは間違いなく、抗争終結の糸口は見えていない。 では、なぜ神戸山口組は大きく人員を減らし、6代目山口組は人員増加に転じたのだろうか?
構成員数の変化は「山健組の離脱」
ポイントとなったのが、“武闘派”の呼び声高い山健組の存在である。 神戸山口組が大きく勢力を減退させた背景には、中核組織であった山健組が離脱したことが大きく影響したとみられる。さらに、神戸山口組内で豊富な資金力を持っていたとされる池田組が独立したことも要因とみられている。 前述のように暴排条例の影響もあり、近年、暴力団構成員数は全国的に激減している。 国内最大組織の6代目山口組も例外ではなく、ここのところは毎年のように300人前後の減少を続けていた。にもかかわらず昨年約200人もの増加が確認されたのは、神戸を離脱した山健組が400~500人の巨大勢力を率いて6代目山口組に復帰したことが理由だとみられている。 組織犯罪対策を担当する警察当局の幹部は、現在の状況をこう見る。 「6代目山口組側が優勢な状況は変わらない。だが、神戸山口組の組長の井上邦雄が引退するとか、組織を解散するということはないのではないだろうか。『最後の一人になってもやり抜く』などと周囲に言っていると伝えられている」