日本はインフラや設備は整っているのに、障害者が生きづらい理由。共生のために必要なこととは?【三上大進さん】
スキンケアブランド「dr365」をプロデュースするスキンケア研究家の三上大進さん。天真爛漫でインパクトのあるキャラクターで注目を集め、インスタライブは毎回大盛況。そんな三上さんは、業界初となる障害のあるキャスター・リポーターとして採用され、2018平昌、2020東京パラリンピックでリポーターを務めました。 初の著書となる『ひだりポケットの三日月』(講談社)では、人柄が伝わるぬくもりのある文章で、リポーターとしての経験で感じた、足りないものを補い合うことの大切さ、自分の「違い」を受け入れる過程などについて綴られています。今回は障害がある人とない人が共生していくために必要なことなどについてお話を伺いました。 三上大進(みかみ・だいしん)さん 大学卒業後、外資系化粧品会社でマーケティングに従事。2018に日本放送協会入局。業界初となる障がいのあるキャスター・リポーターとして採用され2018平昌、2020東京パラリンピックにてリポーターを務める。生まれつき左手の指が2本という、左上肢機能障害を持ち、自身のセクシャリティがLGBTQ+であることをカミングアウトしている。現在はスキンケア研究家として活動。スキンケアブランド「dr365」をプロデュース、運営。
「お断り」され続けた幼少期
――ご著書の中で、「障害を理由に何かを断られた経験は何度もあった」と書いていらっしゃいましたが、具体的にどういったことがありましたか。 三上大進さん(以下、三上):大人になった今では自分の身体でできること・そうでないことの分別がついているのですが、子どもの頃はそうはいきませんでした。例えば、乗馬体験や、ターザンロープ、竹馬遊び、両手で浮き輪を握るウォータースライダー……。子どもがやりたい遊びって、両手を使うことが意外と多いんですよね。両手が使えないと危険を伴いますし、基本的にそういったものは安全面から「お断り」されていました。大人になった今ではじゅうぶん理解できるのですが、幼心に自分だけがNOをもらってしまうことは恥ずかしかったですし、そのことを知ると親が深く悲しむことを知っていたので、「楽しかったよ!」と嘘をついて報告したりしていました。 「なんで自分だけ?」と、人知れず、いえ、人に知られないように、傷ついていた頃の話です。
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