定年後に「再就職」するという父。「公務員」だからとずっと安心していましたが、あまり稼げていなかったのでしょうか?心配です...
収入が安定していて老後資金もしっかり準備できていると思っていた公務員の父が、定年後に再就職をすると聞くと「あまり稼げていなかったのではないか」と心配になるかもしれません。公務員であれば、定年退職後は今まで貯めた老後資金と年金で悠々自適に暮らせないのでしょうか。 今回は、公務員の生涯年収や家計調査による平均支出から、定年退職時の貯金額をシミュレーションしてみました。定年退職後も再就職をする理由として考えられることも紹介しますので、参考にしてください。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
公務員の生涯年収はどれくらい?
人事院給与局の「令和4年国家公務員給与等実態調査報告書」を基に、公務員の生涯年収を計算してみます。各年齢の給与とボーナス(4.5ヶ月分と仮定して計算)の総額を表1にまとめました。 表1
出典:人事院給与局「令和4年国家公務員給与等実態調査報告書」を基に筆者作成 大学を卒業して22歳から38年間働くと仮定して、平均給与月額を合計すると1億7839万5024円で、ボーナスの合計6689万8134円を足すと2億4529万3158円です。 内閣官房内閣人事局の「退職手当支給状況」によると、常勤職員の定年退職による退職金の平均支給額は2112万2000円ですから、生涯年収は2億6641万5158円であると予想できます。
平均支出から定年退職時の貯金額をシミュレーション
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における消費支出の平均は31万8755円であるとのことです。これをもとに38年間の消費支出を計算すると1億4535万2280円で、生涯年収から消費支出を引くと1億2106万2878円になります。 しかし、この金額をそのまま老後資金として貯金してあるとは考えられないでしょう。38年間でマイホームや車を購入したり、子どもの学費などで大きな出費をしたりすることもあります。各家庭によって支出額は異なるため、貯蓄額も家庭によって差があると考えられます。 定年退職後は公的年金で生活することになりますが、同調査によると65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の家計収支が3万7916円不足しているとのことです。年間で45万4992円、30年であれば1364万9760円を老後資金からまかなわなければならないでしょう。