参院選で不気味な動き 「参政党」って何者?
右翼っぽいが「そういわれるのは心外」(神谷事務局長)と漏らす
マイナー政党が、参議院選挙を前にして永田町界隈を賑わせている。その名は「参政党」である。全くの泡沫政党のハズだったが、選挙ドットコムが選挙プランナーと組んだ参院選解説のなかで「1議席確保の可能性がある」とし、他党の関係者の間で警戒感がじわじわと広がっている。街頭演説は立錐の余地がないひとだかりとなっており、ひともまばらなことがある立憲民主党の泉代表とは対照的だ。 「サンセイトー? 知らないなあ。賛成党と書くのか? 参政党と書くの? 何しろ維新の会のことで頭がいっぱいで・・・」と記者(角田)の質問にこう語ったのは、菅直人元総理である。菅氏は今回の選挙で大阪選挙区を担当し、日本維新の会対策に力を割いている。 玄人筋にもまだ知らない人がいるほどの無名ぶりである。ただし、菅氏のこの反応はあくまで例外。取材していくと、議員や秘書などから、「参政党は野党票をかなり食うと言われているので警戒している。1議席確保するかもしれない」という声が聞こえてくる。 一体、参政党とはどのように運営されているのだろうか? ホームページを見ると事務局長で党を取り仕切っていると思われる(参政党は共同代表が3人で最高指導者が誰かわかりにくい)のは、元自衛官で教員出身、さらにはロースクールも卒業したという異色の経歴の神谷宗幣氏。元大阪府吹田市会議員であるが、市議は2013年に辞職し株式会社を立ち上げ動画配信を開始したという。 一体、どんな活動をしているのか? 「10年ぐらい前に市議を辞めて動画配信など活動を始めました。住民の間で特に良い評判も悪い評判もないです。『右翼と言われるのは心外』と本人は言っていますが、主張は、天皇に関する評価など昔ながらの右翼的な主張です。しかし、街宣車を乗り回すといったことはなく、暴力的な主張や行動をする右翼ではありません」(吹田市の野党関係者) 確かに党の綱領に「天皇を中心に一つにまとまる平和な国」と掲げているし、党の共同代表を務める赤尾由美氏はあの大物右翼の赤尾敏氏の姪で、保守政党日本のこころから出馬した経験も持つ。 しかし、昨年の衆議院選挙後に党派を超えて落選候補に入党勧誘をしたらしく、「自分も勧誘された」と落選した候補者は口を揃える。ホームページでも自民党から共産党まで元党員が参加していることを認め、思想は問わないとしている。そのうちの一人が、以前小誌でも紹介した元れいわ新選組候補の三井義文氏だが、 「今回、私は立候補しないし、一党員になっただけ。参政党の詳しいことは答えられない」という。謎めいた政党だが、取材を重ねていくうちに、 「twitterとYouTubeの相乗効果をうまく利用して、支持を広げているみたいだ」(ベテランの議員秘書)という情報を得た。 確かにホームぺージを見てみると、twitterやLINEなどSNSのリンクがずらりと並び、所謂SNSでの情報拡散に力を入れている。新聞・テレビ・雑誌などのオールドメディアで取り上げられることはアテにせずSNSやYouTubeなどの「一点突破・全面展開」を目指すという手法のようだ。 その方針は徹底しているようで、ネットでは事務所の電話番号すら見当たらない。それが証拠に冒頭の菅氏の反応は、SNS に弱い世代には浸透していないことを象徴している。 問い合わせはSNSかメールでとなっている。 気になるのは、全国に支部を設け、地方区のすべてに候補者を擁立していることだ。 ホームページなどからコンセプトを読み取ると「一般国民に政治参加を促し、政策のシンクタンクを作る」ことが目的らしいが、全国に候補者を擁立するとなると莫大な選挙資金が必要になるが、どこから拠出されているのだろうか? 「選挙資金はどこから出ているのか? まったく不思議です。神谷さんのブログに『昨年、支援者が亡くなった』とありますが、それが気になりますね。地元発祥の大企業の経営者が日本会議に肩入れしていたので、その人がもしかして・・・? と思いますが・・・。神谷さんは本を出していますが、そんな収入は知れている。経営する会社も大きくはないみたいだし・・・」(吹田市の野党関係者) なお、ホームページのQ&Aでは宗教団体や政党の組織的支援を否定している。 取材中、「参政党についてわかったことがあれば教えてくださいよ」と言った議員もいたほど。参政党というより「ミスターX政党」と呼びたくなる。 ■角田 裕育(ジャーナリスト) 1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手としている。著書に『セブン-イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』など。










