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なぜ呼称が変わった? いまクルマの「エンジン」が「ICE」と呼ばれるワケ

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ICEはインターナル・コンバッション・エンジンの略称

 最近、モータースポーツ業界や一部の自動車メディアでICEという言葉をよく目にするようになってきた。ICEとは、インターナル・コンバッション・エンジンの略称で、日本語では内燃機関と呼ばれる。ガソリンやディーゼル燃料などシリンダー内で燃料を燃焼させる、一般的なエンジンを指す。 【写真】乗るならいましかない! 大排気量NAエンジンを楽しめる国産モデル4選  このICEという言葉は、2000年代に入ってから自動車メーカーのエンジニアらで作る業界団体・自動車技術会で発表される論文や、世界各地で開催されるモビリティ関連イベントのプレゼンテーション等で使われるシーンが増えていった印象がある。  背景にあるのは当然、パワートレインの電動化の流れだ。電動車の本格普及が始まったきっかけは、あえて説明することもないが、プリウスの存在にほかならない。プリウスが世界に広めたハイブリッドという考え方は、2つの動力システムを組み合わせることを意味し、プリウスではガソリンエンジンというICEと電動モーターとを組み合わせた。  だが、一般的にハイブリッド車はHEV(ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)と呼ばれるため、ハイブリッド車の一部がICEであるとは表現しないように思える。同じく、外部からの充電が可能なハイブリッド車であるPHEV(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)でも同様だ。  HEV(トヨタでは社内的にHV)とPHEV(PHV)は、あくまでも電動車であり、ICEは電動アシストしない内燃機関を指すことが多い。学術的な解釈と、メーカーやメディアでのマーケティング用語としての、ICEへの対応が違うように思える。  電動化普及の流れは今後、さらに加速して、近年中に純粋なICEは世のなかから消えてしまうのだろうか?

日本政府は2050年を目途にICEをなくすとしている

 国として電動車の普及を義務付けている中国、カリフォルニア州を筆頭として合衆国の一部州での義務化が進むアメリカ、さらに2030~2040年頃を目途に純粋なICEの販売を終了するとの方針を打ち出している欧州の主要各国。こうした国や地域でも、今後の政権運営や社会情勢によって環境対応政策が変わる可能性は十分にある。当然、原油の枯渇という大きな課題があるが、最近の電動車普及の議論のなかで、その点について詳細な検証が乏しいとも思える。  これに対して日本政府は、2050年を目途に純粋なICEに変わって、ハイブリッド車以上の電動車のみの製造・販売を目指すと表明しているのだが、それに至るまでの規制やさまざまな義務化要綱については、いまのところ明確には提示されていない。果たして、日本の新車で純粋なICEがなくなるのはいつか?  いわゆるマイルドハイブリッド車など、ICEがメインの電動車は徐々に増えることはあっても、ICEではないEVや燃料電池車FCVが市場の主流になるのは、「少なくとも2050年以降」または「2050年でも主流はハイブリッド車とPHEV」という見解を示す自動車メーカー関係者が多い印象だ。  彼らが指摘するように、本当に実質的なICEがなくなることは当面ない、のだろうか?

桃田健史

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