不信任決議翌日の斎藤知事、複数のテレビ番組に登場 「出直し選準備では」憶測呼ぶ
兵庫県議会(定数86)が斎藤元彦知事に対する不信任決議案を全会一致で可決した翌日の20日、斎藤知事は県庁に登庁しなかったが、複数のテレビ番組に収録や生出演で姿を見せた。番組の中で知事は自身の進退については「しっかり考える」として明言せず、県立大無償化事業や公用車の変更など自身の3年間の実績を強調。県関係者の間で「出直し選挙の準備では」と臆測を呼んでいる。 【表】斎藤知事の県政を支持するか、41市町の首長にアンケート 県議会の全会派と無所属議員は、19日に開会した定例会本会議に斎藤知事の不信任決議案を提出。決議成立を受け、知事は29日までに議会を解散しなければ30日付で失職する。自ら辞職する選択肢もあり、知事は本会議後に「対応はこれから考える」「(決断の)タイミングはあらかじめお伝えしたい」と話した。 失職・辞職の場合は50日以内に知事選が行われるため、斎藤知事が再出馬するかどうかも注目される。 県秘書課が日々発表する知事の公務日程によると、20日は県庁に登庁せず「公務打ち合わせ」を行うとしていたが、斎藤知事は午前中に大阪府内で民放の単独インタビューに応じ、夕方に放送された。夜にはNHKの番組に生出演した。同課は知事のテレビ出演を把握していなかったといい、公用車などを使っていないため「公務に当たらない」と説明した。 双方の番組で斎藤知事は、元西播磨県民局長が作成した告発文書について、告発者捜しをした県の初動対応について正当性をあらためて主張。さらに県庁舎再整備計画の撤回や、外郭団体役員に再就職した退職職員の年齢規制など、自身が就任から3年間で取り組んだ業績を訴えた。 番組を見たある県議は「再出馬するつもりでテレビ番組に出て自己主張しているのでは」と推測。県幹部も「改革を強調するのは選挙活動の一環のように見える」と話した。 同課によると斎藤知事は21~23日の3連休は公務予定がなく、24日も県庁には出勤しない予定だが、複数のメディアから出演依頼があるため番組に出る可能性はあるという。