日本代表の「名バイプレーヤー」5人。オレ様キャラとも良好な関係を築いた
テレビドラマの人気ですっかり定着し、今もトレンドワードになっている「バイプレーヤー(脇役)」。サッカーの世界にも、チームになくてはならない名脇役がいる。今回は日本代表で活躍した、とっておきのバイプレーヤーを紹介する。 ◆【写真】北澤豪が「これだけは許せなかった」という岡田監督の裏切り采配 ◆ ◆ ◆ 献身的守備で「バイプレーヤー」を体現 今野泰幸 MF/国際Aマッチ93試合出場4得点(2005-17年) 抜群のボール奪取能力を生かした、献身的な守備......。まさに「バイプレーヤー」という言葉を体現したような選手だった。 ボランチでも、センターバックでも、サイドバックでも、守備的なポジションならどこでもこなし、暑さも連戦もものともせずコンスタントに力を発揮して、日本代表でもガンバ大阪でも天才的ゲームメーカーの遠藤保仁を支えつづけた。 謙虚な性格で知られ、「コンちゃん」と呼ばれて愛され、「いじられキャラ」として若手選手からも親しまれた。 そんな今野だが、面白いのは得点場面に突然現われて"主役"となってしまうプレーがあることだ。 2005年のJリーグ最終節ではFC東京の一員として「勝てば初優勝決定」というセレッソ大阪と対戦。アディショナルタイムに同点ゴールを決めてC大阪の"夢"を打ち砕いた。 日本代表でも、2012年のフランス戦では自陣から50メートル以上のロングドリブルで決勝点をお膳立てして、日本に"奇跡の勝利"をもたらした姿が忘れられない。
多くの監督に使われたクロス職人 駒野友一 DF/国際Aマッチ78試合出場1得点(2005-14年) 「クロスの職人」とでも言おうか。守備網を深くえぐる強いクロスは、相手に脅威を与えつづけた。 右サイドバックを主戦場としていたが、左サイドも難なくこなし、さらに左右のウイングバックでもプレーした。「利き足は右だが手は左利き」というあたりに左右でのプレーを同じようにこなせる秘密があるのだろう。 豊富な運動量も武器だったが、何よりもどちらのサイドからでもクロスの質がまったく変わらないのが持ち味。 同時代をプレーしたサイドバックには、加地亮や長友佑都、内田篤人など多くのライバルがいたにも関わらず、多くの監督が駒野を招集しつづけたのも、監督にとって「計算のできる選手」だったからだ。 真面目な性格と「いじられキャラ」で、チームメイトとの関係性も良好だった。2010年の南アフリカW杯で日本代表はラウンド16でパラグアイと対戦。PK戦では駒野がクロスバーに当てて失敗。日本敗退の原因となってしまったが、その後もPK戦になると臆することなくキッカーを務めていた。