徳島ヴォルティスユース、クラブユース選手権のリベンジ達成で大会連覇!
「勝つための覚悟をして選手たちが力を発揮してくれた」 現役時代は静岡学園、ヴァンフォーレ甲府、徳島ヴォルティスなどでテクニシャンのMFとして鳴らした倉貫一毅監督が振り返ったように、四国予選で0対1と敗れ、今季唯一の全国大会「第44回・日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」への道を阻まれたカマタマーレ讃岐U‐18に対し、徳島ヴォルティスユースは90分間ほぼパーフェクトなリベンジ戦を演じてみせた。 【フォトギャラリー】徳島ヴォルティスユース vs カマタマーレ讃岐U-18 まずは前節までリーグ得点王のFW川田脩斗(3年)を頂点に配した4-3-3システムを組み「クラブユース選手権では機能した」(石田英之監督)ハイプレスをかけてきた相手に対しては「試合の入り方を修正した」CB・主将の森田蓮(3年)を中心とした守備陣が冷静に対応。 ダブルボランチも参加してのポゼッションで連続プレスを無効化させると、6分バランスを崩した相手の右サイド裏を突き、左MF四宮悠誠(3年)の左クロスにFW鶴田剛生(1年)が反応。2本連続の強烈なシュートこそU‐16日本代表GK松原快晟(1年)に阻まれたものの、最後は「こぼれ球を狙っていたところ、トラップがうまくいったので感覚で撃った」ボランチ藤崎琉依(2年)の右足ミドルシュートがゴール右上に突き刺さり、徳島ヴォルティスユースが先制。その後も主導権を握ったまま前半を折り返した。 後半、カマタマーレ讃岐U‐18も56分にMF浅田慧潤(2年)のミドルシュートがバーを叩くなど反撃の態勢を整えようとしたが、56分に再び徳島ヴォルティスユースは中盤でボールを奪うとすぐに左サイドへと展開。最後はオーバーラップしてきた左SB藤田樹(3年)のクロスを「いいボールだったので合わせるだけだった」FW鶴田が頭で決め2対0。残りの時間を選手交代と5-4-1気味にするシステム変更策で乗り切った徳島ヴォルティスユースは2対0のまま、前節までの首位を守る8勝目(1敗・勝ち点24)をゲット。前節まで6勝2分0敗・勝ち点20で2位、勝てば初優勝だったカマタマーレ讃岐U‐18の挑戦を退け、2年連続4度目となる「高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ四国」優勝を達成した。 こうして今季ラストゲームを終えた徳島ヴォルティスユース。「通常なら1年でやるべきことを半年でやらなければならないなど厳しいシーズンだったが、苦しいことに立ち向かっていくことはサッカーでもサッカー以外でもはあること。この経験を糧にしてこれからも立ち向かってほしい」倉貫監督の願いは「(J2優勝・J1昇格を目前している)トップチームに続いてユースも優勝することを意識してこの一週間取り組んでいた」(森田)選手たちが成し遂げた最高のフィナーレにつながった。 一方「こんな悪い試合は今季なかった」と指揮官も渋い表情を浮かべたカマタマーレ讃岐U‐18は「日本クラブユース選手権」初戦・アスルクラロ沼津U-18戦を前に明確な課題を突き付けられた形に。「四国代表としての責任を持って闘いたい」(ゲームキャプテンのボランチ田中優祐(3年))気持ちと、質の向上に努め、12月25日をベストの形で迎えるための準備に入っていく。 (文・写真=編集部)