介護費用ってどのくらいかかるもの? 老後の二大不安は「お金」と「健康」
「老後2,000万円問題」が話題になって以来、今まで以上に老後資金に不安を感じるようになった方も少なくないのではないでしょうか。老後の生活費はもちろん、「もし自分や家族が介護状態になったらいくらかかるのか」と心配になる方もいるでしょう。 「要介護認定者数と認定率(年齢階級別)」と「介護費用(一時的な費用の合計)」の図表を見る 将来、どの程度の介護が必要になるかによって介護費用は大きく異なるため一概には言えませんが、おおよその相場を把握しておくと老後の資金計画を立てる際に役立つかもしれません。そこで今回は、調査データをもとに平均的な介護費用について見ていきます。
老後に不安を感じる人が増加
今年10月に松井証券が公表した「老後資金に関する調査」では、「あなたは、老後に不安がありますか」という問いに対し、「不安がある」と回答したのは43.1%、「やや不安がある」が40.5%となっており、全体の8割以上が老後に不安を感じているという結果が出ています。 「老後の何が不安なのか」という質問では、79.5%の方が老後の資金、53.1%の方が老後の健康維持と答えました。 また、メットライフ生命が実施した「老後を変える 全国47都道府県大調査2020」では、新型コロナウイルスによって「老後不安が増えた」という方は48.7%と、約半数にものぼりました。 ここでも、老後に対する不安要因は上から順に「お金」「健康」「認知症」と続いており、いずれにおいても「老後資金」と「健康」が老後の二大不安要素になっていることがわかります。
要介護認定は80歳から急上昇
それでは、実際に老後の介護が必要になる方の割合はどれくらいなのでしょうか。男女共同参画白書(内閣府)の「要介護認定者数と認定率(年齢階級別)」から、男女・年齢別の要介護認定率を見てみましょう。 図1のように、男女ともに年齢と比例して要介護認定率が上がっていき、80歳を過ぎると全体の2~3割、85歳を過ぎると全体の4~5割の方が介護を必要とする状態になるようです。 また、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」では、介護が必要になった主な原因の1位は認知症、2位は脳血管疾患(脳卒中)、3位は高齢による衰弱としています。