国見の持ち前の攻撃力が爆発!鎮西学院を7-1で下し4強
一昨年に県リーグ制覇とプリンスリーグ九州昇格を達成し、昨年には、中島大嘉(現 コンサドーレ札幌)が13年ぶりに高校から直接Jリーグ入りと、着実に名門復活への道を歩んでいる国見。一方、全国的な知名度では国見に劣るものの、県内の指導者が口をそろえて「タレントがそろっている。強い」と認める鎮西学院。 【フォトギャラリー】鎮西学院 vs 国見 1週間前に行われた令和2年度長崎県新人戦初戦では国見が7-0、鎮西が8-0とともに大勝発進に成功。前評判どおりの実力で勝ち上がってきた両校が、1月23日の準々決勝で激突。多くの関係者が接戦を予想した中、予想を超える攻撃力を見せた国見が7-1で大勝。難敵と思われた鎮西を力でねじ伏せ、準決勝への進出を決めた。 先制点はわずかに開始1分、キックオフのボールから一気に鎮西ゴール詰め寄った本川瑠空が勢いのままシュートを決めてゴールを奪取。試合開始と同時に失点した鎮西守備陣の動揺を見逃さない国見は、前半5分にも素早く展開した左サイドの攻撃から、逆サイドの田崎翔真がゴール前に詰めて追加点。開始5分で2点のリードを奪うことに成功する。 2点を追う鎮西は、持ち前のパスワークを生かそうとボランチの福島澪音が低い位置に下りてゲームを組み立てようとするが、国見は前線から、日高希星・本川のプレスで鎮西のパスコースを限定させては、ボランチの川添空良と縫俊希がボールを奪取。ボールを奪ってからはサイドを広く使った攻撃を展開していく。 前半10分にも本川にゴールを決められ0-3とされた鎮西は、24分に奥村正紳のコーナーキックを野川善がヘディングでゴール。だが1点を返したのも束の間、26分には再び国見が、田崎のゴールで3点差とし、29分に川添、34分にも日高がゴールを決めて、前半だけで6得点を奪う猛攻。6-1で前半を終了する。 守備の立て直しを狙う鎮西は、ハーフタイムにCBの野川を下げて野村宗史を投入。国見が攻撃のペースを落したこともあり、どうにかゲームを落ち着かせることに成功するが、国見のプレスとスライドしての守備には苦戦。対する国見は、エース候補の北村一真、1週間前の2回戦で脳震盪起こしたキャプテン山田純大ら、コンディションに不安のあった主力を状態確認を兼ねて投入。その後も次々と選手を投入する国見は、後半19分に途中出場の荒木政斗がドリブルからゴールを奪い7点目。鎮西もチャンスを作るシーンはあったものの、GK緒方要の好プレーを前に得点ならず7-1のまま試合を終了した。 「先週の鎮西さんの試合を見せていただいて、技術が高いなと思って、どう戦うかを1週間準備してきてた」 試合後、木藤監督がそう振り返ったとおり、決して鎮西は弱いチームではない。この日のゲームでも不本意な内容ではあったろうが、丁寧なボールのつなぎと、個々のスキルには十分な上手さを感じさせた。だが「立ち上がりに相手のミスを突けたのが大きかった(木藤監督)」の言葉どおり、立ち上がりの得点で流れをつかんだ国見の持ち前の攻撃力が爆発。その勢いのまま鎮西を押しきり、ベスト4へと名乗りをあげた。 (文・写真=藤原裕久)