大西葵が“キャディ仕事放棄事件”から立て直し 初日121位→36位フィニッシュ
<アース・モンダミンカップ 最終日◇26日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6639ヤード・パー72> 夫の伊藤有志プロと笑顔を見せる大西葵【写真】 初日に帯同キャディがバッグを放置して帰宅。前代未聞のキャディ仕事放棄事件の渦中にあった大西葵だが、最終日は笑顔でフィニッシュした。 初日は121位タイと出遅れたが、2日目は63位タイでギリギリの予選通過。3日目は41位タイに順位を上げ、そして最終日は4バーディ・5ボギーの1オーバーと出入りの激しいゴルフながら、トータル6オーバー・36位タイで大会を終えた。 レッドペナルティエリアに打ち込んだボールの処理を巡っての対立から、大西に帯同していた大江順一キャディが“ブチ切れ”。ラウンド途中で仕事を放棄した初日から徐々に順位を上げていったのは、「絶対に見返してやる」という大西の強い思いからだった。 大西が契約するテーラーメイドのクラブ担当者である鵜野晃行氏が、大江キャディに代わって初日の後半4番ホールから急きょバッグを担いだ。「いい経験になりました」とホールアウト後にコメント。その言葉に大西は「ありがたいしかありません」と応えた。 そして「初日に出遅れて、特に2日目は大変でした。調子はよくはなかったのですが、それでも耐えて、4日間できてよかったです。鵜野さんにはいろいろな場面で助けていただきましたが、グリーンのラインが全部逆を読んでいて、最後は『逆に打てば入るんだ』なんて思っていました」と、笑いながら話した。 初日に前代未聞のキャディ離脱。それでも、しっかりと予選を通過し、見事に4日間を戦い抜いた。鵜野氏の人柄も助けになったのだろう。大西は高校生のころからテーラーメイドのクラブを使っており、鵜野氏はそのころから大西のことを知っていた。ましてや、いまはクラブを調整する直接の担当者。大西のゴルフを熟知していた。心強かったはずだ。 初日の事件については、日本女子プロゴルフ協会が調査をしてから審理及び処分を検討するとしており、大西自身も「いまは協会にお任せしていて確認中のことがあるので、お話しできません」とのこと。詳細については、後日明らかになるだろう。 大西の次戦は6月30日から始まる「資生堂レディス」だ。負けず嫌いの大西だけに、今大会以上のゴルフを見せてくれるに違いない。(文・河合昌浩) (撮影:佐々木啓)<ゴルフ情報ALBA.Net>