フルーレ団体が悲願の金 「エペジーーン」で影薄れた看板種目 主将松山が涙浮かべ吐露「嫉妬あった」重圧乗り越え掴んだ頂点
「パリ五輪・フェンシング男子フルーレ団体・決勝」(4日、グランパレ) 世界選手権王者で世界ランク1位の日本は、決勝で世界ランク2位のイタリアを45-36で下し、同種目では個人・団体含め悲願の金メダルを獲得した。敷根崇裕、飯村一輝、松山恭助、永野雄大で挑んだ日本。終盤まで一進一退の攻防が続いたが、リザーブメンバーでここまで起用のなかった永野が8リレー目で抜擢されると、5連続ポイントで一気に突き放し、流れを呼んだ。最後を託された個人4位の飯村がしっかりと決め切った。 【写真】あっぱれ!日本の誉や!堂々と表彰台の真ん中に上る日本代表の選手たち 主将の松山は「個人戦の後は気がめいるほど苦しい気持ちだった。日々アップダウンがあって苦しかった。誰も逃げずに闘ったのが今日の結果につながった。誇りに思う」と、胸を張った。 08年北京五輪銀メダリストで、12年ロンドン五輪団体でも銀メダルに導いた太田雄貴氏の活躍で、日本のフェンシングでは“看板種目”だったフルーレ。21年東京五輪でエペ団体で金メダルを獲得。“エペジーーン”の合言葉で大きな話題となり、影の薄い存在になりつつあった。今大会でもエペは個人で金メダル、団体で銀メダルと大活躍。松山主将は「エペに対する嫉妬はあった。今大会もありましたし、本当に悔しかった。このまま自分たちは取れないんじゃないかと不安だった。自分自身への期待も大きかったので。それを超えないといけないという思いがあった」と、目に涙を浮かべて吐露した。 その上で「男子フルーレとして金メダルがなかったのでそこは狙っていた。だからといって太田さんが成し遂げたことが色褪せることはないですし、僕が彼よりも上にいったとは全然思わない。自分が目指しているものを達成した。もっともっと強い選手になりたい」と、前を向いた。