“元バイトAKB”プロレスラー上谷沙弥「ずっとアイドルになりたかった私がリングを選んだ理由」
女子プロレス・スターダムの10周年記念大会が、3月3日(水)に日本武道館で開催される。そこで、赤いベルトを持つ“ビッグダディの娘”林下詩美に挑戦を表明したレスラー上谷沙弥。幼少の頃からアイドルに憧れ、元バイトAKBという異例の肩書をもつ彼女が、なぜレスラーになったのか。そして、キャリア1年半でなぜベルトに挑戦したのか、話を聞いた。(前後編の前編) 【写真】持ち前の身体能力を活かしてリングで華麗な空中殺法を魅せる上谷沙弥【12点】 3月3日、日本武道館でスターダムの10周年記念大会が開催される。女子プロレスが武道館に進出するのは、じつに24年ぶりのこと。つまり「令和初」にして「21世紀初」のメモリアルな1日となる。 その大会で「ビッグダディの娘」林下詩美がワールド・オブ・スターダム王座の防衛戦をおこなうのだが、チャレンジャーの上谷沙弥もまた異色の経歴の持ち主なのである。 上谷沙弥は元『バイトAKB』のメンバーだったのだ。 バイトAKBとは2014年9月から2015年2月まで、アルバイト求人サイトとのコラボ企画で展開されたもので、AKB48の正規メンバーではないが、この期間だけ時給1000円のバイト扱いではあるがAKB48の一員として活動できる、という企画。じっさい、AKB48 の人気メンバーと一緒にCM出演したり、AKB48のイベントでは前座としてパフォーマンスを披露したり、と結構、華やかな活動を繰り広げてきた。
ずっとアイドルになりたくてバイトAKBに応募
「私は小さいころからダンスをやってきて、ラスベガスでの世界大会にも出場しているんです。そしてEXILEさんのバックダンサーとして東京ドームやさいたまスーパーアリーナのステージにも立たせていただいたんですが、やっぱりバックダンサーをやっていると『もっと前にに出たい!』という気持ちになってくるんですよね。ちょうどAKB48の人気がものすごい時期だったのでアイドルの道を目指しました」 13,246人もの応募者の中から見事、合格した上谷沙弥は「バイト」とはいえ、アイドルとして大きなステップを踏む。そのダンスのスキルが認められたのか、チームAの劇場公演ではバックダンサーに抜擢され、AKB48劇場のステージも踏んだ。選ばれし者しか立てない舞台にしっかりと足跡を残す、というバイトの枠を超えた貴重すぎる経験だ。 ちなみにこのときの「同期」には現在、HKT48の主要メンバーとして活躍する松岡はながいる。彼女は当時、48グループが開催していたドラフト会議においてHKT48から1位指名され、その後、シングル曲のセンターも複数回、務めている。 「私のこと、覚えてくれていますかね(苦笑)。当時はよくしゃべったりしていたんですけど、本当に遠い存在になってしまって……私がプロレスで実績を残すことができたら、またいつか一緒にお仕事をしてみたいですね。エンタメさんで対談を組んでください(笑)」 同じバイトAKBを起点として、そこからHKT48のセンターまで登りつめた者と、大きく回り道をしてしまったものの、まったく別のルートから日本武道館の「主役」となった者。たしかにこのドラマはなかなか興味深いものがある。