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“米どころ新潟”のブランド力維持に…暑さに強いコシヒカリ「NU1号」を開発

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FNNプライムオンライン

暑さに強いコシヒカリ…開発に成功

田園風景が広がる新潟・刈羽村。 田んぼの前で地元のコメ農家と話していたのは、新潟大学農学部の三ツ井敏明教授。 【画像】農家の希望…安心して稲作りができる品種へ 新潟大学 三ツ井敏明教授: 採れたものの100kgぐらいを種もみとして… 田んぼに植えられていたのはコシヒカリの苗だが、一般的なコシヒカリとは違う、ある特徴を持っている。 それが、“暑さ”への耐性。 新潟大学 三ツ井敏明教授: こちらが、暑さに強いコシヒカリ“NU”です 新潟県によると、2019年のコシヒカリの1等米比率は25.8%(2020年3月末現在)と、前の年の80.9%から大幅に低下。穂が出る8月に気温の高い日が続いたことなどが原因とみられていて、暑さは、米どころ・新潟のブランド力を落としかねない事態となっている。 新潟大学 三ツ井敏明教授: なんで高温にさらされると品質が落ちるのかというメカニズムの方の研究をやっていまして 研究を始めて約20年。三ツ井教授がついに開発に成功したのが、暑さに強い「コシヒカリ新潟大学NU1号」。

なぜ暑さに強いのか? 鍵は「α-アミラーゼ」

いったい、なぜ暑さに強いのか? 新潟大学 三ツ井敏明教授: 「α-アミラーゼ」という酵素が、暑さによって働きが高まってしまう、それが悪さをする 鍵となるのは、コメの中に含まれる酵素α-アミラーゼ。 三ツ井教授によると、コメに含まれるこの酵素が高温になると活性化され、デンプンを分解したり、合成したりするバランスを崩す。 これにより食感が悪くなるなど、品質の低下につながるという。 そこで、三ツ井教授は、一般的なコシヒカリの胚から細胞を培養。 新潟大学 三ツ井敏明教授: これが稲の細胞です 培養する中で自然に遺伝子の変異を起こさせることで、α-アミラーゼの働きを抑えたコシヒカリの開発に成功した。 ーーこの中で何かが? 新潟大学 三ツ井敏明教授: 何かが起こっている。ただし、コシヒカリの遺伝子なんです。外から入れているのでなくて、コシヒカリ自身が持っている遺伝子で“自分自身が変わっていく”というところがミソです 暑さに強いコメをめぐっては、県などが開発を進めた新品種「新之助」が2017年にデビューし、県は、コシヒカリに並ぶ新たなブランド米として売り出している。 一方、今回、三ツ井教授が開発したNU1号の品種は、あくまでもコシヒカリ。 コシヒカリのおいしさはそのままに、暑さに強いコメを生み出すことに成功した。 こうしてできたNU1号は、2020年3月に品種登録され、5月に刈羽村でコメ農家による試験的な栽培が始まった。

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