願い込めた神木くべる 鹿島神社で節分の火焚大祈祷
和歌山県みなべ町埴田の鹿島神社(亀井隆行宮司)で2日、節分祭の「火焚大祈祷(ひたきだいきとう)」があり、地域の人々の願い事を書いた神木を火にくべた。 毎年節分の日に営んでおり、事前に地域の人が願い事を書いておいた神木を、本殿前で焚き上げて祈祷する。神木は約3千本集まり、田辺市の修験道「江川龍王講」(合川雅也講元)の7人が奉仕した。 神社では、平安末期の壇ノ浦の戦いで熊野水軍出陣の際、源氏と平氏のどちらに付くか神意をうかがうため紅白の鶏を戦わせた時に、江川龍王講が行司軍配を行ったと伝えられると紹介があった。 午後6時ごろから総代や9区の区長、江川龍王講、薬師寺埴田念仏講、厄よけ祈願の人らが集まり、亀井宮司が祝詞を奏上。6時45分ごろ、葛城知則総代長(82)が、境内に組み上げた木に火入れした。 龍王講の山伏がほら貝を吹き鳴らし、般若心経を唱える中、総代が1枚ずつ神木に書かれた願い事を読み上げ、それを厄よけ祈願の人らが火に投げ入れた。神木には「家族みんなが健康でありますように」「コロナがなくなりますように」などの願いが書かれていた。合川講元(67)も「コロナ退散の願いを込める」と話していた。 例年は、火焚大祈祷の後に福豆まきをしていたが、今年は新型コロナウイルス対策として、袋詰めしたものを参拝者に配った。
紀伊民報