ウィリアム・モリスの代表作まとった特別酒 出羽桜酒造(天童)が2銘柄発売
出羽桜酒造(天童市、仲野益美社長)は10日、「モダンデザインの父」と称され、19世紀の英国を代表するデザイナーだったウィリアム・モリス(1834~96年)が手がけたデザインをラベルに印刷した特別酒2銘柄を発売した。今年3月に英国で開かれた展示会に同社が運営する出羽桜美術館が協賛した縁で、デザインを管理する財団から提案を受けて実現した。 使用したのは、共にテキスタイルの代表作2点。「Strawberry Thief(ストロベリーシーフ)」(和名・いちご泥棒)はモリスがイチゴを育てた時に鳥に食べられた経験から着想を得て、1883年に制作された。「Cray(クレイ)」は84年の制作で、大きく複雑なデザインが特徴的だ。 モリスは機械による大量生産に反発し、職人の手工芸復興を目指したアーツ&クラフツ運動をけん引した。手仕事を重んじる同社の思いに財団が共感し、連携が実現した。 4合瓶(720ミリリットル)入り、箱付き。いちご泥棒はイチゴをイメージした香りの純米大吟醸酒を詰めた「ブルーボトル」に合わせ、価格は3300円。クレイは花の香りを想起する吟醸酒を入れた「ピンクボトル」に取り入れ、2750円。同社は「販売を通じて日英両国による文化交流の架け橋になりたい」とし、輸出も目指す。
酒販店や同社オンラインストアで扱う。問い合わせは同社023(653)5121。