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狂気のPU開発に”待った”! 新たに導入されるF1のエンジン開発抑制ルールとは

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motorsport.com 日本版

 F1は2021年シーズンから予算制限を導入しコストを抑制しようとしているものの、パワーユニット(PU)の開発費用はこの制限に含まれないため、パフォーマンスを追求を目指して開発コストが激増するのではないかと懸念されていた。 【ギャラリー】ホンダF1の2018年パワーユニット『RA618H』  FIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)は5月27日、2021年以降のF1の各レギュレーション変更を承認した。これにより、PU開発にも多くの制限が設けられることになった。  実際、ルノーのマネージングディレクターのシリル・アビテブールは、競争力を保つために必要な支出が、すでに重荷になるレベルまで膨れ上がっていたと示唆している。 「我々は、エンジンに関するクレイジーな開発コストの抑制を推進することができた。我々がエンジンに費やしていたコストは本当に狂気的であり、最終的にそれが変わることとなった」と、アビテブールは新たなルールについて語った。  これまでPUメーカーは毎年全く新たなPUを導入できたし、開発が進むたびに必要に応じてアップグレードを行なうことができた。  しかし2021年からはそれが大きく変更される。F1のPUメーカーは2021年から2025年末まで使用されるエンジンのホモロゲーション(公認)を取得する必要が生じる。  2021年から導入される規則には次のように記されている。 「各PUメーカーは、該当期間にホモロゲーション申請関係書類をひとつだけ提示することを許可されるものとする。取得されたホモロゲーションは2025年のチャンピオンシップ終了まで有効となる」  この期間中にPUを改良することができないわけではないが、規則により対象となる5年間を通じて厳格な制限が実施されることが明確となった。  すでに今年から、一部の小さなコンポーネントの変更は規制されており、2023年まで毎年1回に限り変更できるという。  エンジンの一部パーツ(カムカバー、シリンダーヘッド、クランクケース、ギヤケースなど)およびMGU-Hは今年は変更できず。2021年から2023年までシーズン中1回に限り変更できる。  また、MGU-Kやエナジーストアの制御用電子機器などを含む一部のコンポーネントは今季1度だけアップデートが可能だ。  つまりPUメーカーは2021年に向けてPUを一新することはできるが、シーズン中に1度だけ仕様を変更することができる。  2022年と2023年についてはそれぞれ年1回アップデートが許可されるが、その後は2025年シーズンが終わるまで、PU開発は大部分が凍結されることになる。  ただし、V8エンジンの開発凍結期もそうだったように、信頼性に関連する変更は例外として許可されるようだ。  ルールでは次のように付け加えられている。 「ホモロゲーション期間中、信頼性や安全性、コスト削減、マシンへの搭載および供給の問題のいずれかのみを目的に、認可されたPUのコンポーネントに変更を加える(特例の)申請をFIAにすることができる」 「申請はFIAの技術部に書面で行なわなければならず、補足情報を含め、必要な全ての情報を提供しなければならない。FIAは、コメントを求めるため全てのメーカーに情報を共有する」  もうひとつ興味深いのは、2021年からカスタマーチームにワークスチームと同じ仕様のコンポーネントが確実に提供されるよう、ルールが厳しくなっていることだ。  カスタマーチームが変更を拒否した場合を除き、カスタマーチームはワークスチームと同じソフトウェア、エンジンオイル、燃料を利用できるようにしなければならないと、レギュレーションに定められている。 「カスタマーチームはワークスチームと同一のPU制御用ソフトウェアを使用し、全く同じ方法でPUを運用できるようにする必要がある。カスタマーチームが別のサプライヤーを選ばない限り、全く同じ仕様のエンジンオイルと燃料を使用できるようにする」

Jonathan Noble

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