走行中に道路から給電が可能に?道路に太陽光パネルを設置して電力生む新技術 東京都が実証実験開始へ
2050年までにCO2排出ゼロ・ゼロエミッションを目指す東京都が、次世代の再生可能エネルギー発電技術を早期に活用することを目指し、都内をフィールドとした実証事業を始める。 その1つが、道路面に太陽光パネルを設置して電力を生み出す新技術。 東亜道路工業株式会社とフランスのCOLASが共同で研究開発していて、日本での舗装式太陽光パネル設置技術が国内で初めて公道に設置されるものだ。 実証事業では一般的な社会環境下のもとでどのくらいの発電量がえられるかなどを検証する。 太陽光パネルの表面は樹脂でザラザラにコーティングされているが、設置することで、すべりにくさの数値がどうなるかなど安全性能についても検証する。 道路の路面で電気が作れるようになれば、走行する車に給電する「走行中給電」との組み合わせも将来的に期待される。 道路に設置する太陽光パネルの発電量は、住宅の屋根に設置される太陽光パネルの7~8割で、パネル60枚で4人暮らしの一般家庭の1日分の消費電力量をつくることができるという。 利用できる土地が少ない都市部において道路を活用できるようになれば、東京でも大きな発電量を生み出すことが可能になる。 新技術を研究開発している東亜道路工業によると、太陽光パネルを道路に設置する際に最も難しいのが、路面に接着させる技術。 試行錯誤の末に日本の環境に適した特殊な技法を開発、路面からはがれずに約10年間稼働できる耐久性が確認されたという。 公道では、表面に落ちにくいゴミやタイヤのブレーキ痕などが付着する場合があるので表面のクリーニングが必要と想定されている。 実証事業は2026年3月末まで実施され、終了後は都内の公道での設置に向けた取り組みが進められる予定だ。