お年玉で株式投資:旧正月の話題も株一色の韓国
世界的に株高が続いているが、韓国の証券市場も個人投資家を中心に大賑わいが続いている。 老若男女を問わず、株の話で盛り上がっている。そんななか、年初から「アップルカー」騒動に投資家は振り回された。 2021年2月11~14日、韓国は旧正月の連休だった。ふだんなら「民族大移動」の時期だ。 ソウル首都圏から地方に「里帰り」をして両親や祖父母、親戚や幼なじみと会う。あるいは、海外旅行に出る人の波で空港、列車や高速バスのターミナル、高速道路は大混雑だった。 ■ コロナで例年と異なる連休風景 ところが、今年は新型コロナの流行でどこも閑散としていた。 高速道路は一部で渋滞があったが、空港の国際線ターミナルはガラガラ。帰郷を控えて静かに過ごす人が多かった。 スキー場、ゴルフ場、済州(チェジュ)島は混雑していたというが、それ以外は例年とはかなり異なる旧正月の連休だった。 帰郷は見合わせ、ズームなどを使って祖父母や両親と挨拶をし、墓参りまで済ませる。2021年の旧正月はこんな光景があちこちで見られた。 家族や親戚が集まることから、「お年玉」の慣習もあった。今年はこれも銀行振り込みになったという。 このお年玉の用途でも今年は例年とは異なる影響があった。空前の証券投資ブームだ。 テレビやラジオの情報ニュース番組。連休期間中にどうしてこんなに、と思うほど証券市場や株についての番組が続いた。
■ お年玉でサムスン株 「お年玉」で株式投資をしよう。こんな親も急に増えたようだ。 筆者の知人が、小学生の子供のために証券口座を開設しようと近所の証券会社に行ったら、あまりの混雑に驚いて帰ってきたという。 韓国メディアによると、大手証券会社、キウム証券の1月に満19歳未満名義で開設した取引口座数は3万8020。前年同月比15倍だったという。 韓国紙デスクがあきれ気味に話す。 「小学生の子供の銀行口座にたまっていたお金をおろして、サムスン電子などの株を買う。こんな親があちこちにいる。これまでにはなかった行動だ」 「お年玉で株式口座を」――2021年の新しいトレンドなのか? ■ どこに行っても株の話 もちろん、株式投資に入れ込んでいるのは子供だけではない。 韓国の5大証券会社の1月の新規口座開設数はなんと167万。2019年の新規口座開設数は320万、2020年が875万だったが、さらに個人投資ブームは過熱している。 どこに行っても株、株、株…株の話ばかりだ。 「コーヒーショップの営業が再開したと思って昼食後に同僚と何度か行ったら驚いた。あちらでもこちらでも株式投資の話ばかりだ」 韓国では新型コロナの流行で、政府が首都圏でコーヒーショップなどの店内での飲食を2020年11月末から2021年1月17日まで禁じた。 翌日からQRコードなどで入場記録を残せば店内飲食が可能となり賑わっている。そこでの様子だという。 何人もの韓国人の知人からこんな話を聞いた。