「マスクの2枚重ね」で効果は変わる?専門家が解説
マスクを着用して鼻と口をカバーすることで、自分と周囲の人々を新型コロナウイルスの感染から守ることができるという強力なエビデンスがあるにもかかわらず、人前でのマスク着用をいまだに拒否している人も存在する。 【写真】専門家が解説!感染症予防に最も効果的&非効果的なマスクのタイプ いっぽうで、ジョー・バイデン次期米大統領やカマラ・ハリス次期米副大統領から、公共交通機関や食料品店で働くエッセンシャルワーカーまで、マスクを重ね着けして予防を徹底している人々もいる。 しかし、マスクを重ね着けした方が1枚だけよりも効果がアップするのだろうか?そもそも重ね着けは安全なのだろうか?こうした疑問について、専門家たちに話を聞いた。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。また、日本における新型コロナウイルスに関する最新情報については厚生労働省やWHOのサイトをご確認ください。
マスクを重ね着けすると、感染予防効果がアップする?
まず、マスクを1枚着用することで感染予防につながるという科学的根拠はたくさんある。たとえば、米国疾病予防管理センター(CDC)の研究では、マスクを着用することで新型コロナウイルスの蔓延を劇的に減少させることができ、その結果、コロナによる入院患者や死亡者を減少させることができるという結果が出ている。 よく引き合いに出される調査では、新型コロナウイルスに罹患した2人の美容師が、マスクを着用した上で8日間にわたり勤務したところ、調査に同意した67人の客のうち、感染した人は1人もいなかった(美容師と客は全員マスクを着用)。 また、ボストンの医療従事者を対象とした別の調査でも、スタッフがマスクを着用した後、ウイルス検査で陽性結果が有意に低下したことが明らかになっている。 公衆衛生などの医療分野において、世界トップレベルの機関として名高いジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターで上級研究員を務めるアメシュ・アダルジャ氏は、 「マスクを使用する目的は、バリアを作ることです。もし薄いマスクを使用している場合は、2枚重ねにすると効果が上がるでしょう。しかし、すべての人が重ね着けする必要はありません」と説明する。 マスクの重ね着けによる効果が証明されたデータはまだないが、特に医療用以外のマスク(ほとんどの人が着けているような)を着用している場合には、重ね着けを検討する価値があると考える専門家もいる。