眼精疲労対策…仕事中は冷たいタオル、夜は温かいタオルを目の上に【一生見える目をつくる】
【一生見える目をつくる】#26 パソコンやスマホを長時間見続け、「目が疲れた」と感じることが多い皆さん。眼精疲労で充血した場合、昼間であれば、冷たいタオルを目を閉じたまぶたの上に置いて冷やすのが効果的です。 「立って」仕事をすれば健康で長生きできる(4)「座りすぎ」が招く心身不調…経済損失は6兆円を超える スポーツ選手がよく、試合や練習中にコールドスプレーを筋肉に吹きかけているのを見たことがありませんか。筋肉が熱を持っているために疲れてしまい、次の動きが出にくくなる。リフレッシュするために、冷たいスプレーで刺激を与えています。 目を冷たいタオルで冷やすのも同じ理由。ピントを合わせるために頑張り続けている目を、いったんクールダウンさせるんですね。冷やすことで疲れが取れ、その後の仕事の効率アップにつながります。 対して、夜は目を温めてほぐしましょう。お風呂のお湯にタオルを浸して固く絞り、湯船につかっている間に目の上にのせておく。これによって、目のマイボーム腺の脂の詰まりも予防できます。 マイボーム腺は、まぶたのまつ毛の少し奥にある脂の分泌腺で、上下のまぶたを合わせると70個近くあるもの。油分を分泌し、涙の成分に油分を加えて油膜を作り、涙の蒸発を防ぐ役割を担っています。マイボーム腺が詰まるとドライアイがひどくなり、眼精疲労がよりひどくなります。 マイボーム腺に詰まった脂の融点は約40度。ちょうどお風呂の温度ぐらいです。お湯につけたホットタオルを使うことで、固まって詰まった脂が溶けていく。目を温める商品がドラッグストアにたくさん並んでいますから、それらを利用するのもいいですよ。 マイボーム腺の詰まりはまた、「ものもらい」や「めばちこ」の原因にもなります。目を温めることは眼精疲労対策、そして、ものもらい予防になって一石二鳥です。ぜひ一日の終わりの習慣にしてください。 眼精疲労で目薬を常用している人も多いですが、開封してから1カ月以上経ったものを平気で使用している人が多いことに驚かされます。市販の目薬の保存期間は1カ月が目安。期間を過ぎたなら、たとえまだ残っていても処分するようにしてください。開封してから3カ月も4カ月も経過した目薬は防腐剤の効果が切れて、液体が腐敗している可能性があります。 なお、眼精疲労は充血を引き起こす原因のひとつ。充血対策で目薬を使う前に、「昼間は目を冷やす」「夜は目を温める」をやってみてください。 (荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)