WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が「極めて遺憾」と声明。被害届を提出へ
11月21~24日、愛知県と岐阜県を舞台に開催されているWRC世界ラリー選手権『フォーラムエイト・ラリージャパン2024』は、11月23日(土)にSS10~SS16が争われているが、SS12(恵那SS)で、一般車両が検問を突破し、交通規制エリア内に進入。SS12がキャンセルされる事案が発生した。競技運営に支障をきたすアクシデントとなり、ラリージャパン2024実行委員会は、この事案に関しての事実と大会実行委員会、そして今後の対応についてのプレスリリースを発行した。 11月21日から争われているWRC第13戦ラリージャパン。一般公道とSS(スペシャルステージ)を競技車が移動し、SSのタイムで勝敗が争われるが、デイ3の10時16分から恵那市で行われていたSS12で、一般車両が検問を突破し、競技が行われる交通規制エリア内に進入する事案が発生した。 国際映像には、SS12に7番手でスタートする直前のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタGRヤリス・ラリー1)の車載映像に横浜ナンバーのワンボックスカーが映し出されており、この車両が退去しないことから、4,200人が集まっていたSS12はキャンセルとなってしまった。 この事案に対し、ラリージャパン2024実行委員会は、事案の事実を発表した。時系列では下記のとおりだ。 日時:2024年11月23日(土) 午前10時34分頃 場所:岐阜県恵那市山岡町田沢付近 概要: (1)明智方面から一般車両1台が検問にて一時停止 (2)制服警備員を含む現場スタッフ5名が検問所において通行証を確認 (3)通行証が無いため、すでにラリー競技を開始し交通規制を実施している旨を運転手に伝える (4)しかし、運転手が車を急発進させ検問所を突破し、そのまま競技コース内へ進入 (5)競技スタート7番目の選手が待機しているスタート地点まで一般車両が進入 (6)競技コース外へ車両を移動させるよう依頼したが応じず、十数分間、同場所にとどまった (7)(6)を受け、競技のキャンセルを午前10時50分に決定 (8)安全上の理由から7番目スタート以降の選手は、代替ルートを使用して、次の会場へ移動 この事案を受け、実行委員会の太田稔彦会長は「この度、警備スタッフ等5名の制止を振り切り交通規制エリア内に一般車両が進入したことについては、極めて遺憾であります。多くのファンが楽しみにしていたSS12がキャンセルになった事態を重く受け止めています」とコメントを発表した。 「引き続き、周辺地域の皆様、競技会場付近を通行予定の皆さまにはご迷惑をおかけしますが、ご理解のうえ現場スタッフの指示には必ず従っていただきますよう、改めてお願い申し上げます」 ラリージャパン2024実行委員会は、この事案について岐阜県恵那警察署に被害届を提出するという。ラリージャパン開催に向けては多くの関係者が努力を続け、たくさんのファンが訪れているなかで発生してしまった事案だが、ラリージャパン開催に向けたこれまでの尽力、安全な運営を踏みにじるもので、いかなる理由があろうと許されない行為だろう。 [オートスポーツweb 2024年11月23日]