iPhone 13向け高速5Gモデムに進展、Appleが独自開発を強化
AppleがiPhone 13シリーズへの搭載を目指しているmmWave 5Gモデムの開発が順調なことが明らかになった。iPhone 12では5Gへの対応に時間がかかったこともあり、2021年以降に向けて万全を期しているようだ。 【写真】リークされた“折りたたみiPhone”のデザイン ・独自の5GをiPad Proにも拡大 iPhone 13用のApple独自の5GモデムがiPad Proでも使用される可能性があると『Apple Insider』が伝えている(参考:https://appleinsider.com/articles/20/11/26/apples-own-5g-iphone-13-modem-may-be-used-in-ipad-pro)。 サプライチェーンの情報筋によると、次期iPhone用に独自のmmWave 5Gモデムを開発するAppleの計画は順調に進んでおり、iPad Proでも採用する可能性があるという。 5G iPad Proは以前に噂されており、コロナ禍で遅れが出て、2021年初頭に延期されたとも言われている。 サプライチェーンは、アンテナ・イン・パッケージ(AiP)モジュールの5Gmm Waveアンテナの需要が増加すると予想している、と台湾メディア『DigiTimes』は伝えている。これは好調なiPhone 12を受けてのものだと思われる。 またAppleが独自のmmWave 5G AiPの開発を行っており、iPhone 13でQualcommの5Gモジュールを独自のものに置き換えることを計画していると予想されている。 そして、その開発をさらに拡大し、iPad Proで5Gモデムを使用することを計画しているというのだ。そのプロセスで独自のRFフロントエンド・モジュール(RF-FEM)を開発する可能性があるという。 iPhone 12シリーズでは、コロナ禍の影響もありmmWave 5Gの調達が後手後手となり、アメリカ向けのものに限定となった。日本を含む他の地域では、スピードでやや劣るもう一つの5G規格であるSub-6GHzが採用されている。 ・AppleのQualcomm離れが加速 AppleのQualcomm離れと自社開発の流れがさらに加速しているようだ。両者は取引をめぐり一時、紛争状態に陥った。すでに和解が成立しているが、しこりが残っていないとは言い切れない。当時、複雑な訴訟合戦となったが、市場で優勢な立場にあるQualcommの価格設定が高すぎるとAppleが不満を持ったことが根底にある。 プロセッサーについてもAppleは、Qualcomm製品の使用を止めて独自に設計しており、性能や価格競争力で凌駕しつつある。 iPhone 13に搭載される予定のプロセッサー「Apple A15 Bionic」は、現行iPhone 12の「Apple A14 Bionic」よりも5ナノメートル(nm)の製造プロセスが改良され、さらに高速化し効率化すると『Macworld』は伝えている(参考:https://www.macworld.co.uk/news/iphone-13-release-date-3797033/)。 また2022年のiPhone 14の「Apple A16 Bionic」は、4nmになるためエネルギー効率の大幅な向上が期待できるという。 iPhone 13シリーズは、ディスプレイがエネルギー効率が向上するLTPOを採用したProMotion 120Hzになると言われている。またFace IDのノッチが縮小。カメラも低照度でのパフォーマンスがさらに向上すると予測されている。 ストレージは倍増して1TBも登場する可能性があると『Front Page Tech』のJon Prosser氏は示唆している(参考:https://twitter.com/jon_prosser/status/1321241186313637888)。 iPhoneは今後、さらに独自路線の色が濃くなり、その強みを発揮していきそうだ。
Nagata Tombo