【アメフト】Xリーグ Head Coach's Review (4) オービック大橋HC「Xリーグにおける、アメリカ人選手の位置づけが、変わってきた」
オービックシーガルズ○60-0●東京ガスクリエイターズ (2020年11月8日、富士通スタジアム川崎)
試合を終えたオービックシーガルズ・大橋誠ヘッドコーチ(HC)の一問一答は次の通り。 写真=オービックオフェンスの大型補強、新QBロックレイと、新OL庄島=2020年11月8日、撮影:小座野容斉 ◇ほんとうに久々のシーガルズの試合でしたが、今の感想は ◆大橋HC:一番は、やっぱりみんな試合をしたかったんだなというのを感じました。シーズンがあって、試合があるのは当たり前と思っていたものが、そうではないということになった時に、もう一度みんな、何が自分たちにとって大事なのかということを考え直せる時期でもありましたし。それを、今日は実感できた一日だったのではないかなと。そういうふうに思います。 ◇大橋さんご自身にとっても、5年ぶりのHC復帰戦でした ◆大橋HC:そこでいうと、僕が以前HCをしていた時とは、コーチングスタッフも随分変わっていますし、そういう意味では、言い方が正しいかどうかわからないですが、そんなに僕がやることはないというか。オフェンス、ディフェンス、キッキング、それぞれのコーチがちゃんとまとめて、ゲームを回してくれているので。その部分は、前とはだいぶ違うないう感じを持ちながら、周りを頼もしく思いながら、サイドラインにいました。 ◇HCに復帰した経緯をもう一度教えてください ◆大橋HC:やっぱり一番(の理由)は、このクラブチームと言う形態の中で、試合を勝ち続けていくにあたって、選手ひとりひとりのマネジメントというものの密度が、凄く大事だなと。そういう中で、昨シーズンまでの形でいうと、かなり多くの部分を古庄(前HC)だけに頼っていたというようなところがありましたので。そこをどういうふうに分散して、どの形が一番選手に対しての関りを濃く持てるのか、という(ことを模索する)中での布陣ということですね。今申し上げた通り、そういう意味では(ゲームの)戦略的なところは、僕の方は本当に取りまとめをしているだけです。 ◇オフェンスで新QBロックレイが縦のパスをどんどん投げて(4TDパスという)良い形で前半を終えました。 ◆大橋HC:(最初のオフェンスシリーズは攻め込みながら、TDを取れずにFG)最初は固くなっていたところもあったと思いますが、いくつか、彼ならではのプレーというものを見せてくれたと思いますし。何よりも、チーム全体に凄くフィットして、リーダーシップをとってやってくれているので、それがフィールド(での結果として)に出たというのが、今日は非常に収穫だったと思います。 ◇やはり新加入のOL、庄島君はどうだったでしょうか ◆大橋HC:彼もそういう意味では、インフィールドでのオフェンスコントロールというものを、練習の時と同じようにやってくれましたので。やはり、それを実戦でできるということを証明できたというのは評価できますね。 ◇ディフェンスの方はどうでしたか ◆大橋HC:ディフェンスは、今日はどちらかというと若手の選手が最初から中心として出てやってくれていたので。なんと言うんですかね。ゲームの序盤からバチバチバチっと始まる形ではなかったのですけれど、粘るところはしっかり粘って、最終的に相手を無得点に抑えたのは大きい。まあいろいろな意味で、随所に良いプレーが見られた試合だったなと思います。 ◇外国人登録の選手がディフェンスのスターターで出ていないシーガルズは久々に見た気がするのですが ◆大橋HC:そういう意味でいうと。これはもう僕の個人的な意見ですけれども、Xリーグにおける、アメリカ人選手の位置づけというものが、変わってきたのかなと思っています。具体的に言うと、アメリカ人選手のアビリティーみたいなものに頼っていてはチームは作れない。それだけではチームは勝ち切れない。これはどのチームでもそうだと思うのですが。彼らを上手に使えるだけの、トータルのチーム力がなければならない。そういうようなことは凄く思っています。その中で、今日みたいな布陣で戦うこともできるということが、相手チームがどのチームであったとしても、できるようになったということかなと思います。やはり勝ち切るというのは難しいんだなと思っていました。今日はそういう意味では良いチャレンジができたなと。 ◇最後までシャットアウトできましたね ◆大橋HC:そうですね。それは非常に大切で。よくあるパターンだと、終盤まで無失点で来ても、最後のシリーズは何らかの形で持っていかれてTDとか。あるいはFGくらいは決められるのですが。最後までああいう形で、止め切ったということは少し成長かなと思います。 ◇ディフェンスでは、ルーキーの板敷君とか、若手の菊池君とか若い選手が活躍しました ◆大橋HC:そうですね。そういう意味では彼らが活躍できる土壌があるというか。総合的に、彼らが(局面の中で)1対1になれたとか、彼らがずっとプレーできるような形を周りが作っているということもあったので。総合力はだいぶ上がったかなという気はしています。 ◇次はパナソニック。去年は1勝1敗ですが、最後に負けて終わった相手です ◆大橋HC:今年は一発勝負なので。難しいですね。(パナソニックの)荒木監督は、試合ができない4週間はディスアドバンテージだという話をしていました。その感覚もすごくよくわかる。しかし、一方で彼らは、この4週間、僕らだけを見て準備してきているという脅威はある。我々はここからすぐ切り替えて、パナソニック戦に向かわなければならない。平日を含めて、この2週間の過ごし方が凄く問われる。 今季の初戦まで、待たされた時間が長かった割には、始まったら凄い早いというその部分でドキドキしています。 ◇今日出場しなかったバイロン・ビーティ―ジュニアは次戦は出ますね ◆大橋HC:(笑いながら)ノーコメントにしておきます。ベストメンバーで戦います。
アメリカンフットボール・マガジン編集部