「1箱580円のたばこ」税抜きなら「224円」で買える? 喫煙者減少も…増税繰り返し「税収2兆円台キープ」の実態
ガソリンは「ガソリン税以外」にも税金がかかっている
ガソリンには、ガソリン税以外の税金もかかっています。 ガソリンの本体価格に加え、ガソリン税、石油石炭税、環境税(地球温暖化対策の税)、消費税です。 消費税は本体価格とガソリン税などを足した価格に10%をかけることから二重課税を指摘する声も多く聞かれます。一方で、ガソリン税や石油税は石油会社に納税義務があり、消費税は消費者が間接的に支払うため、二重課税には当たらないという見解もあります。このあたりはちょっと複雑ですね。 いずれにせよ、昨今のガソリン価格高騰により、ガソリン税についてはさまざまな意見が出てくると思います。電気を動力とする電気自動車(EV)がもっと普及するまで、ガソリン価格の推移には注意したいところです。
たばこは「6割以上」が税金
たばこ税は、国たばこ税・地方たばこ税・たばこ特別税で成り立っていて、それぞれ税率が異なります。 たとえば、1箱580円のたばこでは、合計約304円のたばこ税が課せられています。そこに約52円の消費税が加わると、税の合計は約356円となります。つまり、定価の6割以上が税金になるわけです。 たばこ税は増税を繰り返していて、税収は2兆円台を推移しています。たばこを吸う方は減少しているわけですから、喫煙者の負担が年々増大しているといえるでしょう。 ■さんきゅう倉田 芸人。ファイナンシャルプランナー。1985年神奈川県生まれ。大学卒業後、国税専門官採用試験を受けて東京国税局に入局。同局退職後、吉本興業の養成所NSCに入学し、芸人となる。Twitterなどで発信した税やお金の情報が話題となり、執筆や講演等の仕事を増やす。以来芸人として活動し、現在は税理士会、法人会などでの講演に加え、『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』『ダイヤモンド・オンライン』『プレジデント・オンライン』『マイナビニュース』『税と経営』などでも税や経済についての記事を執筆、好評を得ている。2023年東京大学文科二類に合格し、東京大学に在学中。
さんきゅう倉田