クレームを最短で処理する方法とは?達人が教える「魔法のフレーズ」
どんなに営業成績が調子よくても、お客様からのクレーム対応を間違えると、信頼関係が損なわれてしまうことがある。クレームのさばき方がうまい人は、あるポイントを知っていた。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明) 【この記事の画像を見る】 ● お客様のクレームの威力 隣の席のライバルの調子がいい。契約を順調に取ってくるし、エッジの効いた企画のアイデアもどんどん出てくる。これは心穏やかではない。自分も調子が良ければまだいいが、低調のときはライバルの活躍を手放しで喜ぶことはできないものだ。 しかし、そんな絶好調のライバルの勢いが一撃で止まってしまうことがある。 それはお客様からのクレームだ。お客様からのキツいクレーム一発で調子を崩してしまうこともある。 これは私も何度か経験した。ハウスメーカーの営業スタッフ時代のことだ。そのときはなぜか好調で毎月連続で契約が取れて、お客様から感謝される上に会社からの評価もうなぎ上り。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。 そんなとき、突然お客様から「今すぐ現場に来てください」という電話が入った。
● 何をやってもうまくいかなくなる その口調からして良いことではないのはすぐに分かった。慌てて現場に向かうと、いつもと様子の違うお客様が立っている。お客様は私の顔を見るなり「菊原さんには本当に失望しました」と言ったのだ。 クレームの原因は私の指示ミスで間違った工事がされていたということ。基本的なミスだがダメージは大きい。一度作ったものを取り壊すという大事になった。 ここで私はさらなるミスを犯してしまう。思わず「ちょうど他の現場と時期が重なっていまして」と言い訳をしてしまったのだ。お客様は私の言葉に激怒し、大問題へと発展したのだ。 このお客様とは信頼関係ができていただけに痛恨の極みだった。 それから何をやってもうまくいかなくなった。商談はどんなに頑張っても失敗に終わり、社内スタッフとも関係が悪化。連続契約はピタッと止まり、その代わりに契約ゼロの月がその後何カ月も続いた。クレームは本当に怖いと実感したものだ。 私のミスでクレームを引き起こしてしまう。さらに言い訳をしてお客様との信頼関係をぶち壊してしまった。これほどの愚行はない。 もしここでクレームを最小限に抑え込み、逆に信頼を深められていたらどうだっただろうか?調子を崩すことはなかっただろう。クレームにどう対応していくか。これは今後活躍し続けるか、それとも一発屋で終わるかの大きな分かれ道になる。