「国会指名の裁判官候補を大統領は拒否できない」 共に民主党、憲法裁判所法改正案を発議
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が弾劾訴追された後、進歩(革新)系最大野党の「共に民主党」は憲法裁判所法の改正案を次々と発議している。国会選出分の憲法裁判官3人が空席なので「6人裁判官体制」で運営中の憲裁が大統領弾劾審判決定を下せるかどうか議論になるや、審判遅延問題を解消したいとして関連法案を4件発議した。だが一部の法案に対しては「法理の上で無理がある」との指摘が出ている。 【写真】韓悳洙首相弾劾訴追案の投票を終え席に戻る李在明代表
民主党の朴均沢(パク・ギュンテク)議員は今月27日、大統領の憲法裁判官任命権に関して「国会の選出と大法院長(最高裁長官に相当)の指名が決定されたら即時行わなければならず、大統領はその任命を拒否できない」という条項を追加した憲裁法改正案を発議した。韓国憲法および憲裁法によれば、憲法裁判官は大統領が9人を任命することになっているが、このうち3人は国会で選出する者、3人は大法院長の指名する者を任命しなければならない。ところが韓悳洙(ハン・ドクス)首相が最近、大統領権限代行の大統領任命権行使は「自制すべき」として憲法裁判官の任命を保留したことから、任命時限と任命義務を憲裁法で定める改正案を出したのだ。 民主党の金鉉正(キム・ヒョンジョン)議員は、憲法裁判官の任期が満了したり定年を迎えたりしても後任が任命されるまでは職務を遂行するよう定める憲裁法改正案を発議した。憲裁は現在「裁判官6人体制」で運営されているが、このうち文炯培(ムン・ヒョンベ)裁判官と李美善(イ・ミソン)裁判官が来年4月18日に任期満了で退任したら大統領弾劾審判決定が不可能になることを念頭に置いた法案だ。大統領弾劾決定には憲法裁判官6人以上の賛成が必要だからだ。 民主党は30日、崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行・経済副首相に対し、憲法裁判官の任命を繰り返し要求した。ただし、務安空港旅客機墜落事故の後、崔権限代行を狙った「弾劾訴追」の言及は避ける雰囲気だ。朴省俊(パク・ソンジュン)院内首席副代表は30日、ラジオ番組で「憲法裁判官3人を任命することは崔権限代行の当然の義務」としつつも「すぐに時限を定める必要はないように思う」とも述べた。 一方、韓国国会の「内乱国勢調査特別委員会」は、31日に初の会議を開き、委員長と与野党の幹事などを選出する。保守系与党「国民の力」も会議に出席することが分かった。その後、本会議で国勢調査の実施計画書が議決されれば、特別委は活動に入る。 キム・サンユン記者